株安に耐えたビットコイン アルトコイン物色は尚続く

11日のビットコイン(BTC)対円相場は56,381円(0.92%)高の6,169,163円と、心理的節目の600万円周辺で下げ止まりの様相を呈した。
前日は米市場でのリスクオフが波及する形で、ビットコインは640万円周辺から下落し、46万円の史上最高値を記録したイーサリアムのイーサ(ETH)の反動安やアジアの株式市場の下落も重なり、東京市場のビットコインは600万円割れを試す展開となった。しかし、アルトコインを物色する動きはこの日も続き、ETHが東京時間の引けにかけて下げ幅を取り戻すとビットコインも下げ止まった。米時間に入るとアルト高に一層と拍車が掛かり、ビットコインは米株の下落に連れることなくジリ高で610万円台後半に戻したが、対ドルで1時間足の200本平均線が走る57,000ドル(≒619万円)で上げ止まっている。

週明けからのリスクオフは、テクノロジー株を震源地としたインフレ懸念の売りと言うのが通説となっているが、これにはどこか違和感もある。確かに、期待インフレの指標となるブレークイーブンインフレ率は上昇している訳だが、長期金利の上昇幅は驚くほどではない。加えて、先週の米雇用統計が労働市場の回復ペース鈍化を示唆したこのタイミングでインフレ懸念が急に台頭すると言うのもすんなりと納得がいかない。勿論、今夜発表の米消費者物価指数(CPI)を前に市場がインフレに対して神経質になっているとも指摘されるが、もっぱら先週でメジャーな決算が一通り出尽くしたことで持ち高調整が入ったとも考えられる。
結果としてビットコインの相場は10日、3.69%と下落したが、指摘通り循環物色が継続しておりアルトコイン相場は概ね確りと推移している。ビットコインは相変わらずこの波に乗ることができていないが、4月末からは恩恵を受ける形で底堅い推移となっており、こうした基調は目先も続こう。
ちなみに、3月の米CPIは2.6%の上昇となり2012年来の高水準を記録したが、発表された4月13日のナスダック総合指数は過去最高値を高進していた。4月のCPIは総合で3.6%と相応な上昇となる予想だが、より重要なのは今夜の結果を持ってして米連邦準備理事会(FRB)メンバーが「今年の物価上昇は一時的」と言う姿勢を維持するか否かだろう。
週明けの相場下落はやや予想外ではあったが、ボリンジャーバンドのセンターライン(≒604万円)で相場はサポートされており、一目均衡表の雲上限(648.7万円)や2σ(≒666万円)を目指す余地はまだあると見ている。反落シナリオの場合、引き続きセンターラインや一目均衡表の雲下限(≒582.7万円)を下値目途として見据える。




