強材料連発でビットコイン上伸 高値警戒感漂う大台目前の攻防に注視

先週(8日〜14日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比1,015,015円(24.76%)高の5,115,015円と大幅上伸し、節目の510万円を突破。対ドルでは14日、大台の50,000ドルに近づき49,700ドルの高値を記録した。
先週は、米電気自動車(EV)メーカーテスラのBTC購入公表が市場を席巻し、BTC相場は420万円周辺から一段高となり9日には初めて500万円に乗せた。その後は、アルトコイン高の反動や低調だった米国の消費者物価指数を受けて押されるも、対ドルで節目44,000ドル(≒460万円)がサポートとなり、マスターカードの暗号資産(仮想通貨)決済サービスの年内導入発表や、BNYメロンの仮想通貨資産管理(カストディ)年内開始の発表を受けて切り返した。週末には、短期レンジ上限と節目48,000ドルが重なる504万円周辺の水準が相場のレジスタンスとなるも(第2図)、モルガン・スタンレー・インベスト・マネジメントのカウンターポイント・グローバル部門がBTCを投資対象として検討しているとのブルームバーグの報道も後押しとなり、相場は510万円台に乗せた。


大手クレジット会社やその他企業による仮想通貨決済導入、さらには伝統的金融機関による仮想通貨インフラ参入や投資検討など、直近2週間ほど仮想通貨にとっては強材料が連発している訳だが、この他にも先週はリスクオンのドル売りが戻ってきたことや、1,400ドルの個人現金給付を含む家計支援策(バイデン政権が目指す1.9兆ドル規模の経済対策の一部)が米下院で可決されるなど、外部環境も相場の見方となった格好だ。
一方、BTC相場は想定通り短期レンジの上方ブレイクに成功しているが、ブレイク後の相場の上げ幅は17万円(3.4%)程度と控えめな印象があり、大台の50,000ドル(≒525万円)を目前に高値警戒感が生じていることも指摘される。上述のように直近では強材料が連発しているが、「総楽観は売り」とも言われるだけに目先では買い一巡後の反動リスクも考慮しておきたい。
ただ、これは相場が50,000ドルを明確に上抜けできるかにもかかっていると見ており、今週はファンダメンタルズが味方し50,000ドル上抜けとなるか、それとも市場の総楽観が裏目に出るか、節目を巡る攻防が焦点となろう。





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bitbank Report 2021/02/15:強材料連発でビットコイン上伸 高値警戒感漂う大台目前の攻防に注視