まだまだ強かったビットコイン イーロン・マスクもビットコインに興味あり?

先週(14日〜20日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比447,262円(22.5%)高の2,434,655円と、2017年12月7日につけた史上最高値の240万円を終値で更新。また、週足は今年一番の上昇率を記録した。週末の相場は、対ドルで節目の24,000ドル(≒248万円)をうかがう展開となった。
200万円を挟み込む展開で始まった先週のBTC相場は、米大手アダルトサイトの決済手段が暗号資産(仮想通貨)のみになったという棚ぼた実需が材料視された一方、Mt.Goxの再生計画案を巡る懸念からなかなか保ち合いを抜け出せない状況が続いたが、外為市場でのドル安の加速も相場の支援材料となり、16日にレンジを上方ブレイクし対ドルで2万ドル乗せに成功。さらにこの日最終日を迎えた米連邦公開市場委員会(FOMC)で実質ゼロ金利政策と量的緩和の長期化が確認されると、相場は騰勢を一段と強め、翌17日には史上最高値の240万円を更新した。
相場が史上最高値を更新したことで塩漬けされていたBTCの利確が入るかと指摘したが、18日の米つなぎ予算期限が2日間延長されたことにより、週末も追加経済対策案合意の期待感に相場は支えられた格好だ。また、20日にはテスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏がツイッターでビットコインについて呟いたことに対し、マイクロストラテジーCEOのマイケル・セイラー氏が返信すると、相場は250万円にタッチした(第2図)。


米追加経済対策案は今朝方合意したとの報道が転がり込んできており、米議会はもう一日の予算延期を可決させ、21日中に投票を行う見通しだ(政府閉鎖デッドラインが日本時間22日午後2時1分にずれ込む見通し)。相場は、250万円にタッチした直後に売りが入っており、米追加経済対策案合意もある程度織り込み済みの模様だが、17年高値の240万円が今度はサポートに転じている。
一方、今週の見通しはそう単純ではないと見ている。英国では、感染力7割増のコロナウイルスの変異種が拡散していることを背景に、20日からロンドンなどで事実上のロックダウン措置が取られていることに加え、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉も期限としていた20日を過ぎても合意には至らなかった。今週は、追加経済対策を盛り込んだ来年度米予算可決見通しや、7〜9月期米国内総生産確定値(GDP)など、重要なイベントや指標もあるが、年末を控えたポジションの手仕舞いにも注意したい。
以上に鑑みて、今週のBTC相場は上にも下にも荒い値動きに注意したい。ファンダメンタルズが逆風となり先週のドル安基調が巻き戻す展開となれば、利益を確定する動きが加速し、節目22,000ドル(≒227.5万円)やボリンジャーバンド1σ(228.9万円)が密集するエリアまで相場が押してもおかしくないだろうが、反対に、真空地帯で滑空する足元の相場が高値を更新していくと、FOMO(相場上昇に置いていかれる恐怖)を誘発して上値を追う可能性も十分にあり、今週もまた勝負どころが到来する機運がある。今週は下値リスクもしっかりと考慮しつつ、ヘッドラインを見守りたい。






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bitbank Report 2020/12/21:まだまだ強かったビットコイン イーロン・マスクもビットコインに興味あり?