ビットコインは過去最高値手前で足踏み 今週こそレンジ上抜けあるか?

先週(11月30日〜12月6日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比124,013円(6.55%)高の2,018,002円と9週続伸し、2017年12月ぶりに週足終値で200万円を奪回した。
先週のBTCは、週明けよりドル安の流れが相場の追い風となり上値を追う展開を繰り広げ、11月30日から12月1日にかけて海外主要暗号資産(仮想通貨)取引所のBTC対ドル相場は2017年の過去最高値を更新した。しかし、1日に米大手コインベースで相場が過去最高値を更新すると、直後に急反落に転じ、この日の相場は207万円から一気に190万円周辺まで売り込まれ、利益を確定する動きが加速した。
相場が対ドルで過去最高値に近づいて以降、ビットコインのブッロックチェーン上では大口やマイナーの利食いを想起させる巨額のBTC送金が相次いで検知され、直近2ヶ月ほど続いた相場上昇の勢いに冷や水を差している。一方、先週の外為市場ではドルが広範の通貨に対して売られたことで、ドルインデックスは8月の安値を割り込み、およそ2年7ヶ月ぶりの安値圏に沈んだ。背景には米国での追加のコロナウイルス救済案を巡る協議が進んだことがあり、先週はこれを受けて米主要3指数が終値で最高値を更新、金相場は4週間ぶりに反発した。BTCにとってもこれが相場を下支えする材料となり、相場は利食い売りをこなしつつ、1日以降は192万円から203万円のレンジで底堅さを印象付けた(第2図)。


今週11日に米連邦政府機関の予算期限切れが迫る中、コロナ対策を盛り込んだ予算案が合意に至るかが今週の目玉だ。先月の大統領選以降停止していたペロシ下院議長(民主)とマコネル上院院内総務(共和)の協議も先週再開し、双方とも合意に向けて前向きな姿勢を見せている。また、4日に米労働省が発表した雇用統計では、雇用市場の回復ペースが市場の予想を遥かに下回る結果が明らかになり、財政支援の必要性が一層浮き彫りになったと言える。NYタイムズは、具体的な法案は依然として作成されていないと4日時点で報じているが、今週は協議の前進とあわよくば合意に期待が寄せられ、BTC相場のレンジ上抜けの切っ掛けになるか注目したい。
今週のBTCは底堅い展開を予想する。上述の通り、米追加経済対策次第でレンジの上抜けも想定しておきたい。上値目途は対ドルで過去最高値水準やボリンジャーバンド2σのある206.5万円や207.5万円。これらの水準の上抜けに成功すれば、ボリンジャー3σ(≒215万円)も視野に入る。下値目途としては、ボリンジャーセンターラインや一目均衡表の転換線が密集する191万円周辺、対ドルで節目18,000ドル水準の187万円周辺のエリアがある。






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bitbank Report 2020/12/07:ビットコインは過去最高値手前で足踏み 今週こそレンジ上抜けaあるか?