ハードフォーク無事終了 今週のBTCはETHの動きに注意

先週(9日〜15日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比74,100円(4.63%)高の1,673,100円と6週続伸。週足が上昇を開始した10月5日の週からは約55万円(48%)値上がりしている。
先週は、ファイザーのコロナワクチンの朗報で週初に安全資産に強い売りが入り、リスク資産でありながら金相場との相関も意識されるBTCは週明け9日から乱高下する展開。幸い、この日はドル円相場が急反発(ドル高円安)となったことで、BTCの対円相場は円安に支えられ、160万円周辺で粘り腰を発揮し、その後はハッシュレートの回復やドラッケンミラー氏がBTC保有の事実を公表したことで買いが入り、相場は保ち合い上放れで16,000ドル水準の168万円を突破、13日にはペイパルの暗号資産(仮想通貨)売買サービス開始のアナウンスも材料視され、170万円台に乗せた。
一方、13日からはハードフォークを15日に控えたビットコインキャッシュ(BCC・BCH)に売りが入り、HuobiグローバルでBCCの強制決済が実行される30分ほど前からBCC相場は崩れ始めた。これを皮切りにBTC相場の上昇も失速したが、165万円(≒15,800ドル)がサポートとなり、週末の相場は上値を重くするも下げ幅は限定的だった(第2図)。


ビットコインキャッシュのハードフォークは無事終了。市場の見通し通り、Bitcoin ABC(BCHA)とBitcoin Cash Node(BCHN)のチェーンに分岐が確認されたが、前者のチェーンは661,651ブロック以降、マイニングされている形跡がなく、BCHNだけが継続してマイニングされている。チェーンの分岐は661,647ブロック以降なため、BCHAは分岐後すぐにマイニングが止まっていることとなる。
海外の取引が再開されている取引所を見ると、ビットコインキャッシュは比較的強く売られているが、その他のアルトコインは物色買いが入っており、今回の分岐騒動の市場への影響は予想通り軽微であった。
しかし、今週17日はDEX(分散型取引所)のUniswapの流動性マイニング終了が控えており、ガバナンストークンのUNIのみならず、ロックアップされている多額のETHも解放されることとなり、こうした資金の行方が気になる。ETH相場も9月以降上昇し、今年の高値圏で推移していることから、利益を確定する動きが加速するか注視しておきたい。
BTCは165万円のサポートを割り込めば、先週踊り場となった160万円が次のサポートとなろう。足元の水準から反発できたとしても、高値警戒感も伺えることから先週高値の173万円をレジスタンスに揉み合う展開が予想される。






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bitbank Report 2020/11/16:ハードフォーク無事終了 今週のBTCはETHの動きに注意