BTC170万円突破で真空地帯へ ペイパル早くも仮想通貨売買スタート

12日のビットコイン(BTC)対円相場は54,740円(3.43%)高の1,712,059円と、終値で年初来高値を更新し、2018年1月13日ぶりに終値で171万円台に乗せた。
この日の相場は未明より対ドルで心理的節目の16,000ドル水準となる168万円を試す展開となるも、東京時間序盤には利食い売りに押され一時164万円を割り込んだ。しかし、前日に相場が160万円周辺の踊り場から抜け出したことで、テクニカル的な買い支えも入り165万円に戻すと、流れの出やすくなる欧州時間からは、ビットコインキャッシュ(BCC・BCH)相場の踏み上げに追随し16,000ドル水準を上抜け170万円にタッチ。直後には狙っていたかのように大量の売りが出て165万円まで急反落するも、同水準での買い支えは根強く、NY時間からは再び170万円を目指した。
対ドルで節目の16,200ドル水準となる170万円での売り圧力は相応に強かったが、バイナンスの米国事業拡大やペイパルの暗号資産(仮想通貨)売買サービス開始の発表が材料視され、相場は今朝方に同水準を突破し171万円台に乗せた。


今週は、金相場が急落し、米株が高値圏で足踏みとなる中、直近2日間のBTC相場は独自の値動きとなっている。これまでBTCとは逆相関関係にあったドルインデックスも、週初のコロナワクチン報道後の米利回り上昇が押し上げ要因となっているが、こうした為替動向がBTCの上値を抑える材料とはなっておらず、ハッシュレートの回復、著名投資家ドラッケンミラー氏のBTC保有報道、ペイパルの仮想通貨サービス開始などの強材料に相場が支えられている。
テクニカルの側面でも、相も変わらずRSIが70%を超えているが、先週安値の14,310ドル(≒148.9万円)から徐々に安値を切り上げ、ついにレジスタンスとなっていた16,000ドルを突破した格好で、強気の値動きが続いている。この先の目星い上値目途はとうとう18年1月高値(17,174ドル≒180万円)と過去最高値(19,891ドル≒209万円)の二つ。足元の価格帯でのこれまでの相場滞空時間は極めて短く、この先はFOMO(相場の上昇に取り残される恐怖)で相場が走る余地も出てきそうだ。
週末15日にはいよいよビットコインキャッシュのハードフォークが控える。予ねて指摘の通り、今回はフォーク後の混乱は最小限に抑えられると予想しているが、本日は顧客の残BCCポジションを強制決済する対応をアナウンスしている海外取引所もある上、フォーク前後では流動性低下によるチョッピーな値動きも想定されるため、BCC相場に関しては注意したい。国内外多くの取引所がBCC現物取引を停止する措置をとるが、FTXなど一部では先物の取引が継続的に行われるため、フォーク中の値動きは海外取引所で参照されたい。






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bitbank Report 2020/11/13:BTC170万円突破で真空地帯へ ペイパル早くも仮想通貨売買スタート