大口送金に揺れたBTC相場 本日は東京時間からボラ上昇に注意

29日のビットコイン(BTC)対円相場は15,898円(1.41%)高の1,146,514円と、前日の下げ幅を奪回。週明けの金相場の反発を追い風に、28日のBTC相場はおよそ1週間ぶりに一時115万円台に到達したが、29日朝方に海外取引所OKExへ5,000BTC(≒57.5億相当)の送金が確認されると上げ幅を一気に掻き消し、日次では下落していた。29日もドル安と金相場の上昇でBTCには好環境となったものの、アジアからNY時間序盤にかけては大口の利食い売りが警戒される格好で底堅くも上値も重い展開が続いた。
一方、その後の相場は一部アルトコインの切り返しにも助けられ上昇。本日朝方には再び115万円にタッチする勢いを見せた。米取引所のジェミナイはこの日、ジーキャッシュ(ZEC)のシールドアドレス(zアドレス)を駆使した出金サービス開始を発表。これを受け、ZECに加え、プライバシー通貨のモネロ(XMR)も上昇した。ジーキャッシュにはトランザクションの透明性を確保するtアドレスと、プライバシーを保護するzアドレスの2種類があり、後者を駆使したトランザクションではその金額と個人情報を秘匿することができる。

28日の大口BTC送金で一時は雲行きが怪しくなったが、昨日の反発で懸念は幾分払拭されたように見える。相場は113万円割れを2度トライするも反発し、ネックライン上抜けに成功した。しかし、週明け指摘の通り、為替市場動向には依然として注意深い目配りが必要な状況は続いている。今夜から10月2日にかけて、米国の4-6月GDP確定値、個人消費支出(PCE)、雇用統計を連日控えている上、日本時間今日午前には大統領選候補テレビ討論会の第1回目も予定されている。
重要イベントを前にドル安が進行しているが、現状、若干のリードを確保しているバイデン氏の地盤が崩れトランプ大統領への支持が高まると、ドルショートが巻き戻す可能性も念頭に入れておきたい。東京時間のBTCは通常、ボラティリティーが落ち着きやすい傾向があるが、本日はこうした傾向も覆される可能性がある為、注意したい。






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bitbank Report 2020/09/30:大口送金に揺れたBTC相場 本日は東京時間からボラ上昇に注意