米株続落でもBTCは節目を死守 ECB理事会後のユーロ動向にも注意
8日のビットコイン(BTC)対円相場は29,241円(2.65%)安の1,075,758円と反落し、直近2日間の上げ幅を帳消しにした。SushiSwap開発者のSUSHIトークン売却や、ビットコインキャッシュ内輪騒動によりアルトコイン相場の軟調地合いが続く中、アジア時間のBTC相場も上値を重くし、対ドルで心理的節目の10,000ドル水準となる106万円を目指した。しかし、NY時間からは同水準を割り込む場面もあった一方、節目での買い支えや金相場の上昇が支援となり、祝日明けの米主要3指数が3営業日続落となる中、底堅い推移を演じ、終値では10,000ドル水準を死守した。
米株の下落につられず節目での底堅さを印象付けたBTC相場だが、ドル高の進行が上値を抑える一要因となっている。欧州中央銀行(ECB)が対ドルでのユーロ高に懸念を示したことや、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る交渉が難航していることが、ユーロとポンドの重石となり、ドルインデックスを押し上げている格好だ。昨日はリスクオフで金相場に買いが入ったが、こうしたドル高の流れの中で割安感が薄れ、金相場の上値も限定的だった。明日はECBの定例理事会を控えており、ラガルド総裁の発言には注意を要そう。ユーロ安ドル高に拍車が掛かれば、BTCの本格的な10,000ドル割れも視野に入る。
危うい値動きが続くBTCだが、今週に入ってからのBTCハッシュレートの上昇やドルテザー(USDT)増発に鑑みて、やはり節目10,000ドルが強く意識されている模様だ。勿論、ECB定例理事会と来週のFOMCの結果待ちということも言え、上述の通り安心しきれない状況にはあるが、ECB定例理事会を無事に通過できれば、安心感から相場が少し戻してもおかしくないか。
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bitbank Report 2020/09/09:米株続落でもBTCは節目を死守 ECB理事会後のユーロ動向にも注意