指標と要人発言でBTCは上に往って来い また方向感示せず

16日のビットコイン(BTC)円は1200万5556円から取引が始まった。東京時間はドル円相場の下落に伴いジリ安に推移し1200万円を割り込んだが、欧州時間に入ると買い戻しが入りやや水準を戻した。米国時間に入ると、3月の米小売売上高が市場予想比で上振れたことで、1220万円を一時回復した。一方、パウエルFRB議長がシカゴ経済クラブでの講演で、米経済の減速とトランプ関税の影響が想定よりも大きなものとなる見解を示すと、BTCは一気に1189万円まで急反落を演じた。しかし、パウエル議長が銀行の暗号資産(仮想通貨)関連規制に関して緩和される余地があると発言すると、相場は1200万円近辺まで反発。ただ、ドル円相場の一層の下落が上値を限定し、終値は1194万6227円となった。


重要指標と要人発言で相場も動意付くと想定していたが、米小売は相互関税前の駆け込み需要を反映して上振れた一方、パウエルFRB議長は利下げに慎重姿勢を示したことで、BTCは上に往って来いとなった。一方、米国株相場が大幅に下落した割にBTC相場は引き続き底堅い。貿易摩擦や景気後退懸念を背景にドル建て資産からの資金逃避が続く中、オンチェーン上では1000BTC以上を保有する所謂「クジラ」の数が増えており、一部の資金がBTCにも流入していると指摘される。他方、パウエル議長の慎重姿勢を受けてもFF金利先物市場は依然として年内4回の利下げがコンセンサスとなっており、昨日の発言の影響も一時的とみていいか。本日は取引材料に乏しい一日となりそうだが、BTCは引き続き底堅い推移が見込まれる。



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bitbank Report 2025/04/17:指標と要人発言でBTCは上に往って来い また方向感示せず