BTC反落でネックライン維持失敗 米中貿易摩擦激化でCPIは素通り

10日のビットコイン(BTC)円は1217万7795円から取引が始まった。前日にドル建てBTC相場が短期のダブルボトムを完成させたことで、東京時間はネックラインのサポートを試しに行く展開となり、1200万円周辺まで水準を下げた。ただ、欧州時間に入ると外国為替市場でドル円相場が下値を広げる展開となったことで、円建てBTCは徐々に下げ幅を拡大した。米国時間序盤に発表された3月の米CPIはコア指数を含め俄かに下振れサプライズとなったが、米中貿易戦争への懸念を消化する形で米国株相場は大幅反落し、BTCも連れ安。結局、ダブルボトムのネックライン維持に失敗し、前日の上げ幅の大半を吐き出した。終値は1145万3326円。


米CPIを巡っては、中国やカナダに対するトランプ関税の影響を危惧していたが、+2.8%から+2.4%に減速した。ただ、米国が更なる対中追加関税を発表したことで、市場はそれどころではなかった。落とし所の見えてこない米中による関税の応酬によって、前日の安堵感が掻き乱された格好だ。尤も、FRBによる利下げ再開が近づいている可能性は否定できない。景気後退のリスクも健在だが、インフレが鈍化し続ければ利下げも時間の問題だ。米中貿易摩擦の激化が株式市場の重石となっているが、BTCの下げは比較的限定されており、本日は値固めに転じると想定している。他方、本日は米ミシガン大学の4月消費者調査速報値が発表される。前回分では消費者信頼感指数の下振れと期待インフレの上振れでスタグフレーション懸念が台頭したため、今回も十分に警戒しておきたい。



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bitbank Report 2025/04/11:BTC反落でネックライン維持失敗 米中貿易摩擦激化でCPIは素通り