BTCは三役逆転を回避 まだ安心はできない?

12日のビットコイン(BTC)円は1467万4486円から取引が始まった。1月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、東京時間の相場は概ね1470万円台での揉み合いに終始すると、欧州時間には小高く推移し1480万円を挟み込む展開となった。米国時間序盤に発表された1月の米CPIは3%上昇と前月の2.9%から加速し、BTCは一時1454万円近辺まで急落を演じるも、トランプ米大統領が「金利を引き下げるべき」と発言すると、相場は俄かに反発し下げ幅を縮小した。更に、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で、FRBは銀行による暗号資産(仮想通貨)顧客へのサービス提供を「阻害したくない」と発言したことや、仮想通貨顧客に対するデバンキングをマニュアルから削除したと発言すると、BTCは1500万円周辺まで一段高を演じた。米国市場引け後も相場は確りと推移し、終値は1510万0001円となった。


直近二日間はパウエルFRB議長の発言で上下する展開となっているBTCだが、お陰で米CPIの上振れの影響を掻き消すことができた。また、ドル建てBTCは、終値ベースで一目均衡表の雲下限を死守し、三役逆転の完成を回避した。とは言え、CPIの結果を受けてFF金利先物市場ではFRBが9月まで利下げを停止するとの見方がコンセンサスとなり、米金利の先高観からBTCの上値は限定されるとみている。本日は1月の米卸売物価指数(PPI)の発表も控えており、油断は禁物だ。仮にPPIが下振れとなれば、BTCは10万ドル(≒1542万円)を試す展開が視野に入るが、昨日は一目均衡表の雲下限も引き上がっており、依然として三役逆転の完成は直近と言える。米CPIをなんとか無事に通過できた訳だが、依然として危うい局面に変わりはないだろう。


