円急騰で円建てBTCに重石 二日連続で上値トライ失敗
11日のビットコイン(BTC)対円相場は935万円から取引を開始。東京時間の序盤は揉み合う展開となったが、前日のETFフローが堅調だったことを背景に小確りとした推移に転じ、欧州時間には58,000ドル(≒945万円)を回復した。一方、6月の米消費者物価指数(CPI)が+3.0%と予想の+3.1%を下回ると、相場は一時960万円にタッチするも、ドル円相場の急落を受けて円建てBTCは上げ幅を縮小。さらに、この日の米株式市場では大型株から中小型株への資金のシフトが起こり、ナスダック総合が急落し、米時間のBTC相場の重石となった。最終的にBTCは、ドル建てでは-0.64%の下落に収まったが、円建てでは-2.70%と大きな差がついた。
米CPIの下振れでFRBによる9月の利下げ着手が現実味を帯びたが、政府・日銀の為替介入による円の急騰が円建てBTC相場の仇となった格好だ。ドル建てBTCもナスダックの急落につれて58,000ドルの上抜けに二日連続で失敗しており、上値の重さが意識される。一方、昨日は主要株価指数の上昇に遅れをとっていたラッセル2000が急騰しており、市場のリスク選好度が低下している訳ではないと言えよう。実際、高値レンジの安値圏で推移するBTCは、ETF経由の資金流入が改善している。また、ドイツ政府のBTC残高は約9,000BTC(≒816億円)まで減少しており、売却完了まであと2〜3日程度だろう。上値の重い展開となっているBTC相場だが、本日も底堅い推移が期待される。