現物ビットコインETFついに米国で承認 材料出尽くし後はどうなる?
10日のビットコイン(BTC)対円は想定に反して反転上昇となり、およそ2年2カ月ぶりに終値で679万円を回復した。米証券取引委員会(SEC)による現物ビットコイン上場投資信託(ETF)承認の誤報を受け、前日のBTCは乱高下を演じたが、この日は667.5万円で取引を開始すると、ETF承認の確報による事実売りへの警戒感から上値の重い展開となり、米時間序盤には650万円を割る場面もあった。一方、その後シカゴオプション取引所(Cboe)が7件のETFの上場承認をSECに先駆けて発表すると、相場は反発し下げ幅を奪回。本日未明にはSECが同委員会に申請されている11件全ての現物ビットコインETFの承認を発表し、相場は再び下値を試す展開となったが、すかさず買い戻され690万円を回復した。
第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成
第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
SECによるETF承認を受けた事実確定売りを警戒していたが、前日の誤報を受けてデリバティブ市場のポジションが捌け、事実売りへの警戒感で売りがある程度出きったことで、実際の承認後の売り余力が擦り減っていた格好か。ただ、承認後の相場の上げ幅も限定されており、ETF承認はやはり織り込み済みだったと言え、本日は上げ一服後の調整に注意したい。他方、本日は米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始のタイミングを測る手掛かりとなる12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、BTCは材料難とはならなそうだ。しかし、12月CPIの総合指数は前月比と前年比で11月からやや加速することが予想されており、3月の利下げ開始観測が後退する結果となれば、BTC相場には向かい風となろう。
第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成
第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成
第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成
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bitbank Report 2024/01/11:現物ビットコインETFついに米国で承認 材料出尽くし後はどうなる?