長期投資家に利益確定の動き、短期では弱気な相場に

今週の値動き

- 今週のビットコインは5月26日の1560万円から取引が始まりました。週前半は底堅い動きとなり、1600万円を試す動きとなりました。一方、1600万円近辺では上値が重くなり、利益確定の動きが進みました。週後半に入ると、売りが強くなり足元では先週の押し目となった水準を割り込みました。現在は1520万円台で推移していますが、短期チャートは弱気に傾いています。1500万円割れも視野に入ってきました。先週まで7週連続で陽線を記録していましたが、記録も途絶える可能性が出てきました。これまで強い上昇が続いた反動で調整局面を迎えています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。先週よりは下落傾向が見られ、ロングポジションが解除されたようです。FRは0.01%を下回っており、相場に過熱感は見られません。
2.ロング・ショート清算推移
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- 今週は下落方向への動きが大きくなり、ロングポジションで清算が目立ちました。デイリーでの清算は2000万ドル程度とそこまで大きくはありません。相場は高値圏で推移していることからロングポジションが溜まっていると考えられ、今後も下落した際は清算が大きくなる可能性があります。
3.3ヶ月先の先物価格乖離率
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- 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は8%程度で推移しています。昨年12月には乖離率は15%を超えており、現在は買われる余地がまだあると考えられます。価格が下がった際は買い支えがあるものと考えられます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は足元で下落傾向となっています。ユーザーが取引所で買った現物を引き出しているようです。長期的な買い需要はまだ続いていると見られ、相場を支えています。
2.長期投資家ポジション変化
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- 同指標は、長期で保有されているビットコインの数量になります。足元で下落する動きが見られ、長期投資家は1500万円より上位でポジションを減らしているようです。利益確定売りが出ており、相場が上値を追うためには新規の買いが必要でしょう。
まとめ
- 今週のビットコインは1600万円を試す動きがありましたが、週後半に入り売りが加速しました。今週は月末ということもあり利益確定売りが出ており、チャートは短期で弱気な形になり、高値を警戒する必要性が出てきています。デリバティブ市場では相場に過熱感が見られず、調整があってもそこまで大きな下落にはならないでしょう。一方、長期投資家は徐々にポジションを減らしていることがわかっており、新たな買い材料が出てこない限り最高値の更新も難しいでしょう。まずは6月に突入し新規の買い入れがあるか注目です。