総崩れの仮想通貨市場 BTCは3.8万ドルタッチから利食い優勢
16日のビットコイン(BTC)対円は反落し、前日の上げ幅の大半を掻き消した。前日のBTC相場は530万円台から急反発を演じるも、38,000ドル水準となる573万円がレジスタンスとなると、この日は利益確定の売りが先行し、東京時間は560万円台後半での推移に終始した。海外時間も上値の重い展開で始まると、米時間序盤からは下げ足を速め560万円を割った。この日発表された米新規失業保険申請件数は23.1万件と8月ぶりの高水準となり、米債利回りが低下したが、暗号資産(仮想通貨)市場アルトコインも含め全面安となり、終盤のBTC相場は一時540万円をも下回った。
本日はフランクリン・テンプルトンのビットコイン上場投資信託(ETF)の審査期限となっているが、米証券取引委員会(SEC)は依然として判断を下していない。尤も、SECは15日にハッシュデックスのビットコインETFの判断を延長したことから、フランクリンのETFも延期されると推測され、ETF早期承認期待の剥落も売り材料となったか。ただ、予て指摘の通り、米国では物価上昇率の鈍化や消費の減速、さらに昨日は労働市場逼迫の解消傾向も示されており、米連邦準理事会(FRB)によるこれ以上の政策引き締めは想定し難い状況となっている。来年1月までETFの審査結果がでないことも徐々に織り込まれているとすれば、BTCのテーマは米金融政策や半減期に移ると見ており、売り一巡後の反発が想定される。
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bitbank Report 2023/11/17:総崩れの仮想通貨市場 BTCは3.8万ドルタッチから利食い優勢