ETFやリップル裁判を巡り新たな動き XRP相場は急騰

19日のビットコイン(BTC)対円は反発し、一時は430万円台に乗せた。この日のBTC相場は小緩む展開で始まるも、前日の米時間にブラックロックがアークとフィデリティに続き現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)申請の修正案を米証券取引委員会(SEC)に提出したこともあり、ETFの承認期待から422.6万円で切り返し、戻りを試した。米時間には、グレイスケールが現物型ビットコインETFの申請を新たにSECに提出した他、9月の米中古住宅販売件数の下振れを受けた米債利回りの反落が支援となり、BTCは29,000ドル(≒434万円)水準に肉薄したが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が追加利上げの可能性について言及すると、上値を重くした。ただ、パウエル議長は米長期金利の上昇が引き締めの重要なファクターになっているとも発言し、BTCはその後も底堅く推移した。

第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成

第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
再び29,000ドル台乗せに失敗したBTCだが、本日も上値を窺う展開が想定される。パウエル議長は追加利上げの可能性を維持した一方、他のFRB高官らと同様に長期金利の上昇が引き締めの役割を果たしているとの見解を示し、政策金利動向に敏感な米2年債利回りは低下した。他方、現物型ビットコインETFを巡っては、承認に向けたスポンサーらとSECとのコミュニケーションが活発になっており、目先では引き続き期待感がBTC相場の下支えとなりそうだ。加えて今朝方には、SECがリップルの役員に対する訴訟を取り下げたと報道されており、XRPの価格が急騰している。SECはグレイスケールのETF否認の正当性を巡る裁判で敗訴した上、控訴の期限も過ぎており、業界への強硬な姿勢が軟化しているようにも映る。

第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成

第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成