BTCは急伸から急反落 テクニカルは改善も2.8万ドル維持失敗

10月2日のビットコイン(BTC)対円は上値トライの後反落し、420万円乗せに失敗した。週末に米議会が11月17日までのつなぎ予算案を可決したことで、2日朝方のBTCは407万円から420万円近辺まで急伸すると、それまでのリスク回避ムードが巻き戻した他、BTCはドル建てでも一目均衡表の三役好転が完成し、昨日は28,000ドル水準(≒419.6万円)に乗せ上値を試す展開で始まった。一方、米時間に発表された全米供給管理協会(ISM)の9月製造動向レポートで購買担当者景気指数(PMI)や雇用指数が上振れとなると、BTCは米長期金利の上昇に逆行安となり、ロングの投げを伴って上げ幅を完全に掻き消した。ドル建てでは、終値での200日線や一目均衡表の雲上限の維持に失敗し、27,000ドル台中盤まで押している。


朝方の上げ幅を縮小することとなったBTC相場だが、ドル建てでは5日移動平均線や一目均衡表の基準線などが上抜き、短中期のトレンドは尚も改善している。昨日はボリンジャーバンドの+2σの上から取引が始まっており、テクニカル的にはやや過熱感もあった格好か。他方、昨日は複数の米連邦準備理事会(FRB)高官から追加利上げを仄めかす発言もあり、米金利に対する「Higher for Longer(より高く、長期的に)」の懸念は燻っている。本日発表される8月のJOLTs求人件数は4カ月連続の減少傾向が見込まれているが、今週は依然としてISMのサービス業動向レポートや雇用統計も控えており、市場は米経済指標の結果に振り回されやすいだろう。尤も、27,000ドル台前半にはテクニカル的なサポートも密集しており、本日のBTCは底堅い展開を想定している。



PDFリンク
bitbank Report 2023/10/03:BTCは急伸から急反落 テクニカルは改善も2.8万ドル維持失敗