フォビへの懸念燻るも反発したBTC ドル円反発の恩恵も

7日のビットコイン(BTC)対円は小幅ながらも6日ぶりに反発。ドル建てでは終値で29,000ドル(≒415.2万円)を維持した。ドル円相場の上昇を受けて、東京時間のこの日のBTCは小確りと推移したが、stUSDTやフォビの支払不能懸念からか上値は重く、米時間に入ると相場は反落した。これによりBTCはドル建てで29,000ドルを割り込み、一時は2021年安値28,900ドル(≒413万円)をも下回ったが、ペイパルがドルペッグのステーブルコイン「PayPal USD(PUSD)」を発表したことや、米NY地区連銀ウィリアムズ総裁が来年にも利下げが始まる可能性があると発言し、相場は反発。米景気の軟着陸(ソフトランディング)期待も相まって米株も上昇し、BTCは東京時間の高値を上回って終値を付けた。

第1表:前日のBTC対円四本値と値動き 出所:bitbank.ccより作成

第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成
28,700ドル(≒410.8万円)周辺で底堅さを発揮したBTC相場だが、本日も底堅くも上値の重い展開が続くか。フォビは昨日、ブログで「通常通り営業している」と発表したが、Nansen.aiやDeFiLlamaのデータによれば、同取引所のステーブルコイン残高は先週の時点で33%ほど減少し、総保有資産も19%ほど減少していると言う。同取引所は資産残高を公開してきいたが、一月ほど前から更新が停止されていると報告されており、 市場の不安感はなかなか払拭されないだろう。他方、ウィリアムズ総裁は利下げについて言及するも、景気抑制的な政策をしばらく維持する必要性にも言及した他、昨日は米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事が追加利上げを支持する発言をしており、7月の消費者物価指数(CPI)が迫るなか、BTC相場のアップサイドは限定されよう。ただし、今週に入りドル円相場が反発していることに鑑みるに、BTC対円の下値は支えられるか。

第2図:ビットコインのハッシュレート、ディフィカルティチャート(左)と先物資金調達率(右)チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

第2表:その他BTC市況データ 出所:bitbank.cc、Glassnode、CoinGeckoより作成

第3表:アルトコイン概況 出所:bitbank.ccより作成