ビットコイン年初来安値割れ バイナンスのFTX電撃買収でも懸念燻る?

8日のビットコイン(BTC)対円は10%超の大幅安。対ドル相場は一時的に年初来安値を割り込んだ。アラメダリサーチの資産の多くがFTTトークンと同トークンを担保にした借入だという報道を受け、バイナンスのCZが保有するFTTを全て売却すると発表したことを巡り、アラメダはFTTを22ドルで買い支えるとしていたが、この日の東京時間にFTTが同水準を割り込んだことで市場は全面安となり、BTCは300万円を割り込んだ。その後、バイナンスのFTX電撃買収が発表され、相場は300万円を回復するも、20ドルに戻したFTTが反落するとBTCも連れ安。BTC対ドルは今朝方に年初来安値を一時的に割り込んだが、その後は18,500ドル(≒269万円)周辺まで戻している。


経営難の暗号資産(仮想通貨)サービス会社を救済してきたFTXだが、バイナンスに救済される驚きの展開となった。FTXは昨日、一時的に出金停止が指摘されたが、現在は出金受付が可能となっている模様だ。買収により一件落着に見えるが、FTXが救済してきた企業の行く末や、実際に出金が行われる目処が立っておらず、懸念は燻るか。一方、共和党が優勢となっている米中間選挙を巡り、米株市場は底堅く推移、10日の米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を織り込み国債利回りも低下しており、マクロ的にはBTCに追い風と言える。加えて、昨日のBTCの出来高増加や先物資金調達率の大幅下振れ、さらに含み益コイン割合の50%割れに鑑みれば、セリングクライマックスが指摘され、目先のBTC相場は底堅い展開が見込まれる。


