2万ドル試すビットコイン リスク燻るも保ち合いブレイク

26日のビットコイン(BTC)対円相場は反発し、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の下げ幅をほぼ奪回した。外国為替市場でポンドが対ドルで最安値を更新し、市場に動揺が走ったが、東京時間のBTCは小さく揉み合いに終始。欧州株が上昇して取引を始めると連れ高で19,000ドル水準(≒275万円)を回復したが、株価がすかさず下げに転じるとBTCも278万円付近で上値を抑えられた。もっとも、英国の緊急利上げが囁かれる中、ベイリー英中銀総裁が利上げを見送ったことや、ボストン連銀のコリンズ総裁がインフレが既にピークを迎えた可能性に言及したことで、BTC相場は底堅く推移した。


積極的な金融引き締めによる世界的な景気後退懸念の台頭や、OECDが世界経済の成長率見通しを引き下げ、リスク選好度が萎縮する中でのBTC相場の反発だったが、米英欧の記録的な金利上昇はやや気掛かりだ。金融ショックや通貨危機の可能性も浮上しており、暗号資産(仮想通貨)だけが弱気相場から脱却するとは考え難い。とは言え、米期待インフレの低下や、ビットコインのハッシュレート上昇は好感される。本稿執筆時点では、BTC相場は昨日の保ち合いをブレイクし20,000ドル(≒289万円)を試す展開となっており、短期的にはショートカバーが入る余地もあるだろう。同水準の上抜けに成功すれば、基準線や1σが位置する20,500ドル〜21,000ドルエリア(≒296万円〜304万円)が上値目途としてある。


