BTCオプション市場に変化 雇用統計に身構える市場

9月1日のビットコイン(BTC)対円相場は270万円〜285万円レンジ内で推移し、対ドルで節目20,000ドル水準となる280万円を挟み込む展開が続いている。280万円周辺から小甘い展開で始まった昨日のBTC相場だったが、米国の新規失業保険申請件数減少と8月のISM製造業雇用指数の改善を受けて、①本日の米雇用統計が強めに出る懸念と、②それによる米連邦準備制度理事会(FRB)の政策引き締め余地拡大で、BTCはやや下げ足を速め274万円近辺まで押した。一方、ディフェンシブセクターを筆頭に米株が反転すると、BTCも連れ高となり今朝方に下げ幅を奪回。20,000ドル水準を維持した。


FRBのタカ派的な政策維持が濃厚となる中、BTC相場は底堅かった。前日には大幅なディフィカルティ上方調整があったにも関わらず、ハッシュレートもある程度の高水準を保っている。ただ、8月の米雇用統計発表を目前にBTCオプションのスキュー指数(1カ月限の25デルタのコールとプットのIV差)が昨日は上昇し15%を超えた。これは、BTCオプション市場の需要がプットに偏る状態となっていることを示唆し、目先の相場値下がりを織り込んでいることとなる。市場では、7月から雇用拡大ペースと賃金上昇ペースが鈍化することが予想されているが、ネガティブサプライズにも対処できるよう、身構えておく必要があるだろう。


