600万円割れで大きなロングの清算が発生、清算の後は相場に底堅さ戻る
今週の値動き
- 今週のビットコインは1月22日の615万円から取引が始まりました。今週は先週の下落の流れが継続し、週始めから強く売られました。火曜日には572万円まで下落し、これまでサポートされていた600万円を大きく割り込みました。570万円台を記録した後は、買い戻しが入り相場は底堅さを取り戻します。週央からは安値を切り上げる動きとなり、現在も24時間移動平均線(24EMA)を上回っています。現在は594万円で取引されており、600万円近辺の足元のレジスタンスに近づいています。短期的には600万円を回復できるか否かは、非常に重要な値動きとなり、600万の上位に浮上することができれば来週以降も底堅い動きが期待できます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。一方、2週間前の高値圏で推移していた頃と比べると、FRは落ち着いており、現在は0.1%近辺で推移しています。2週間前は0.15%を超えることもあり、相場に過熱感がありました。今週は価格が下落していることもあり、短期的な相場の過熱感は解消されています。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ロング側で1月13日以来の大きな清算が発生しました。価格が急落した1月22日には合計で100万ドルを超える清算が発生しました。短期のハイレバポジションが狩られたことで、上値が軽くなり、清算発生後は価格が反発しています。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は2週間前と比べると下落していますが、今週は足元で反転しています。現在は10%近くまで上昇しており、再度先物が買われていることを示しています。強い上昇トレンドが発生している時は先物取引が買われる傾向があり、今後10%を超えてくるか注目です。
4.インプライドボラティリティ
- 先週まで高い水準で推移していたインプライドボラティリティは、足元で下落しています。価格が安値で推移している時は55近辺で推移していましたが、今週は値動きに底堅さが戻ってきているため、同指標は下落しています。価格が下方向へ大きく動くリスクが低下していることを示唆しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で小幅ながら増加基調にあります。ETFが承認された後にGBTCからコインベースへの送金が増加していることが影響しているものと考えられます。この増加傾向が止まるまでは相場は上値が重くなることが予想されます。相場の需給を探るために今後も目が離せない指標となっています。
2.マイナー・ネットポジション
- マイナー・ネットポジションは、マイナーが保有するBTCの増減を表しています。足元ではまだマイナスで推移している一方、アドレスからの現物の流出は減少しています。プラスに転じれば売り圧力の低下が予想されます。マイナーの現物保有量は相場の値動きに大きな影響を与えるため、マイナスで推移している間は上値が重い展開に警戒が必要です。
まとめ
- 今週のビットコインは週始めに大きく下落し、ETF後の相場の総崩れ懸念が高まりました。しかし週央以降は底堅さが戻り、現在は600万円の回復を目指す展開となっています。デリバティブ市場では、大きなロングポジションの清算があったことが、相場の底堅さが戻るきっかけとなりました。一方オンチェーンデータでは、取引所保有BTCが増加傾向にあり、マイナー・アドレスからも現物の流出が継続していることは引き続き懸念点として挙げられます。再び相場が強さを取り戻すには、相場が600万円を回復できるか確認したいところです。逆に600万円を超えられないようだと、再度安値を試す展開が予想されます