デリバティブは買いポジション一色もオンチェーンではマイナーの売り圧力は減少か
今週の値動き
- 今週のビットコインは12月18日の590万円から取引が始まりました。今週は週始めから買われる動きとなり上昇しています。火曜日に相場が625万円まで上昇したところで、押し目を付ける動きとなりました。押し目ではしっかり買われ、再度上昇に転じました。木曜日には634万円まで上昇し、今週の高値となりました。現在も630万円台がレジスタンスとなり上値の重しとなっています。一方、相場は週後半に入っても底堅さを維持し、24時間移動平均線(24EMA)の上位で推移しています。足元では再度高値を試す展開となっています。このまま移動平均線の上位を維持できれば、高値の更新は時間の問題でしょう。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、プラスで安定して推移しています。ロングポジションの割合が高いことを示しています。さらに足元でFRは急上昇しており、0.035%で推移しています。現在の水準はデリバティブ市場に過熱感があることを示しており、高値警戒が必要な状態にあると言えます。価格が下落した際は多くのロングポジションを巻き込んだ急落を引き起こす可能性があります。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は今週は上昇傾向にあります。足元では今年始めて10%を超えてきており、先物取引はかなり買われました。およそ2年ぶりの高さとなり、バブル相場を匂わせる動きとなっています。無期限先物取引と同様に先物市場でも過熱感があり、現在の価格水準を今後も保てるか注視が必要な状況です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量はここ2週間ほど上昇傾向にありましたが、今週は小幅に下落しています。取引所の保有BTCの増加は、売り圧力の増加に繋がる懸念がありました。一方、今週は下落し始めており、ここ2週間で上昇した分を解消できれば今後の上値も軽くなることが予想されます。今後の同指標の推移には引き続き注目です。
2.含み益アドレス割合
- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、今週は90%にタッチをしました。多くの投資家が含み益を抱えている状態となっていることを示しています。約3年ぶりに90%まで戻ったことで投資家はかなり強気になっているものと見られます。含み益が増えたことが影響し、デリバティブ市場でも買いポジションが増加していると考えられます。相場には高揚感が漂っていますが、この含み益が売り圧力に変わるタイミングには注意が必要です。
3.マイナーネットポジション
- マイナーのアドレスの増減を示す同指標は、まだマイナスで推移している一方、下落幅が縮小し始めています。マイナーの利確売りが一巡した可能性があります。同指標は11月からマイナスに転じ始め、1ヶ月間以上もマイナスの推移が続いていました。今週はマイナーの売り圧力の減少が顕著となり、取引所保有BTCの推移にも影響しているものと考えられます。このままマイナーからの売り圧力が減少し続ければ、相場がもう一段上を目指すことができるでしょう。
まとめ
- 今週のビットコイン相場は底堅い動きとなり、高値を試す動きが見られます。今週はこれまでに6.7%の上昇となっています。デリバティブ市場では今後の価格上昇を見越しロングポジションが積まれています。1月に承認される可能性があるETFへの期待感の表れを示しています。ETFの動向次第で相場が大きく変化する可能性があります。デリバティブ市場では過熱感が見られる一方、オンチェーンデータは改善の兆しがあります。マイナーからの売り圧力の減少に加え、取引所保有BTCの減少は今後の相場にとってプラスとなるでしょう。短期的には不安定な動きが予想されるも、オンチェーンデータが今後も強気に傾けば、長期では底堅い動きに期待です。