今週の相場は底堅い値動きも今後の弱気を示唆するデータ多数
今週の値動き
- 今週のビットコインは3月4日の380万円から取引が始まりました。週中は足元の安値である376万円を試す場面もありましたが、ほぼ横ばい推移でした。上値は382万円近辺で抑えられていました。一方、金曜日の朝方に今週の高値を更新し、387万円を記録しました。週足は1.8%の上昇となり、小幅ながら陽線となっています。これまで冴えない動きが続いていましたが、価格は現在、24時間移動平均線(24EMA)を上回り、底堅く推移しています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元で小幅ながらプラスで推移しています。今週は相場が足元の底値圏で推移する動きとなっていますが、安値でロングポジションを建てる投機筋は増加傾向にあります。安値を更新した際はロングポジションの決済が発生し、一段安となる可能性があります。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は縮小傾向にあります。8月後半には4.4%ほど上乖離していた先物価格は足元で3.8%で推移しています。縮小傾向にある一方、まだ上乖離が続いていることから、デリバティブ市場では今後の価格上昇が織り込まれています。こちらでも上値が重くなりやすいデータが出ています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で上昇しています。これまで下落する場面が多かった同指標ですが、現在はユーザーが取引所への現物送金を増やしています。ここ数週間は値動きが冴えないため、現物を売りたいユーザーが増加しています。反発があった際は強い売りが予想されます。
2.含み益アドレス割合
- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、現在59%となっています。8月には70%台あった含み益割合は60%を割り込みました。足元では含み益が減少しており、弱い相場を表しています。含み益割合が50%を割れてくると売り圧力が弱まる傾向があり、同指標の今後の推移に注目です。
3.マイナーネットポジション
- 上記はマイナーのポジションの推移を表したものになります。同指標は7月から8月までプラスで推移することが多い状態でしたが、足元ではマイナスとなっています。マイナーがマイニングしたビットコインの一部を取引所などで売却しているため、マイナスを記録していると考えられます。マイナーからの売り圧力の上昇が継続するようだと、今後も上値が重くなる相場となるでしょう。
まとめ
- 今週のビットコインは小幅ながら上昇しており、底堅い推移となっています。一方、デリバティブでは買いポジションの比率が高い状態が続いており、今後の高値は重くなることが予想されます。さらにオンチェーンでは取引所保有BTCが上昇していることや、マイナーのポジションが久々にマイナスになるなど売り材料を示唆するデータが出ています。長期的には弱気トレンドが継続する可能性が高いでしょう。