投機筋は上目線を捨てきれずFRはプラスを回復、オプション市場では今後のボラティリティ上昇を予想

今週の値動き

- 今週のビットコインは8月21日の381万円から取引が始まりました。週始めは先週の下落相場の流れが継続し、上値が重い展開となりました。水曜日の朝方に価格は一時372万円まで下落しました。先週の安値を更新しましたが、この日は反発して取引を終えました。その後、386万円近辺まで価格を戻すもレジスタンスに上値を阻まれ、現在は24時間移動平均線(24EMA)の下位で推移しています。今週は高値を試す場面もありましたが、上昇への力は弱く、相場の弱さが目立ちました。週次の値動きは、ほぼ横ばいとなりましたが、足元では上値から反落する展開となっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率

先週大きく下落したビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、プラスで推移しています。先週の下落から一時的にショートポジションの比率が上昇しましたが、今週はロングポジションの比率が回復しました。投機筋は安値圏から再度ロングポジションを構築していることが示されています。
2.ロング・ショート清算

- ロングポジションとショートポジションの清算推移は、今週の値動きが小幅に止まっているため、大きな清算はありませんでした。先週は記録的なロングポジションの清算が発生し、約1.6億ドルの清算がありました。
3.先物価格乖離(3ヶ月)

3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は縮小傾向にありますが、プラス圏を維持しています。現在は4.4%程度で推移しており、多くの投機筋は今後の価格上昇を見込んでいます。値動きは弱い一方、デリバティブ市場では、まだ上目線のトレーダーが多いことを示しています。
4.インプライド・ボラティリティ

- オプション市場から算出される1週間のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)は、足元で上昇しています。2週間前には今年最も低い水準で推移していましたが、先週から大きく上昇しています。相場のトレンド発生時には、同指標が大きく上昇する傾向があります。今後は値動きが大きい相場となる可能性が示されています。
今週のオンチェーン
1.含み益アドレス割合

- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、先週、価格が下落している影響から低下しています。8月9日には含み益が74%もありましたが、現在は63%近辺で推移しています。含み益が急激に低下したことで、価格の反発時には利益を確定しようとする動きが出やすい状況です。
まとめ
- 今週のビットコインは小幅な値動きとなり先週の強い下落トレンドから調整局面へと入りました。値動きとしては力強さに欠け、まだ安値を試す展開が予想されます。デリバティブ市場ではロングポジションが徐々に積まれており、上値が重くなりやすい状況です。オプション市場ではボラティリティの上昇が予想されており、来週以降の大きな変動に警戒が必要です。