景気懸念と利下げ期待でBTCは横ばい ETFからの資金流出は止まらず

5日のビットコイン(BTC)円は1693万8574円から取引が始まった。週明けも現物ビットコインETFからの資金流出が止まらなかったことを受けて、東京時間は地合いが緩み、終盤には1680万円まで下落したが、欧州勢参入後には買い戻され、一時1700万円にタッチした。一方、米国時間に入ると相場は再び軟化。ISMの非製造業PMIが市場予想比で下振れたことで、景気後退への懸念が燻り、米株の下落に連れて1660万円まで水準を下げた。他方、昨日はトランプ大統領がCNBCのSquawk Boxに電話で出演し、クグラーFRB理事の後任を今週中に決めるとした他、パウエル議長の後任についても言及。これを受けてFRBの人事変更による利下げ期待が強まったからか、BTCは反発し、終値は1686万6543円と下げ幅を縮小した。


BTCは11万5000ドル周辺の水準となる1700万円がレジスタンスとなり、底堅くも上値の重い展開となった。先週の米雇用統計とISMの非製造業PMIを受けて、景気への懸念が燻る反面、FF金利先物市場が織り込む9月の利下げの確率は、雇用統計発表前の30%台から92%まで跳ね上がっており、BTCにとっては好悪材料が入り混じる状況と言える。ただ、週明けの米株の反発を受けてもETFからの資金流出には歯止めが掛かっておらず、市場の不安心理が徐々に相場の上値を圧迫していく懸念がある。本日は物価安定を最優先としてきたFRBのクック理事による発言を控えており、7月の雇用統計を受けてスタンスに変化があるか注目したい。



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bitbank Report 2025/08/06:景気懸念と利下げ期待でBTCは横ばい ETFからの資金流出は止まらず