ロングの清算額は約4年ぶりの高さ、価格急落によりモメンタムが低下

今週の値動き

- 今週のビットコインは10月13日の1756万円から取引が始まりました。先週の週末に相場が大崩れを見せ、週始めは小幅に反発しましたが1760万円台で上値が重くなりました。週中に入ると相場は売りが明確に優勢となり安値を更新する動きとなりました。現在も価格は24時間移動平均線(24EMA)を下回っており、弱い値動きとなっています。今週は7%ほど下落しており、ここ2週間で11%マイナスとなりました。今月プラスだった値動きもマイナスに転じました。ビットコインは安値圏で停滞しており、続落懸念が残っています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元で0.005%で推移しています。先週の週末には一時-0.015%まで下落し、大きなマイナスとなりました。先物取引価格が現物より大きく下落したことが影響しました。現在は乖離が戻っていますが、強く買われている様子はありません。
2.ロング・ショート清算推移
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- デリバティブ市場の清算は先週の下落時に大きなロングポジションの清算が発生しました。10月10日にデイリーでは10億ドルを超える清算が発生し、約4年ぶりに大きな清算となりました。デリバティブ市場で大きな乖離が発生した要因としては、ロングポジションの清算が発生したことが影響していました。間近の相場で価格が過去最高値圏で推移していたことから、ハイレバレッジのポジションが多かったと考えられます。
3.未決済建玉推移
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- デリバティブ市場の未決済建玉も大きく減少しました。一時は高値から25%ほど下落し、多くのポジションが清算または解除されました。ポジションが大きく変化した際は相場も方向感が出やすくなるため来週以降の動きに注目です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は足元で下落傾向が継続しています。相場は大きく動きましたが、同指標の動向に変化はあまり見られない状態です。引き続き取引所で売られる可能性がある現物は減少傾向となっています。
2.含み益アドレス割合
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- ビットコインのアドレスから算出される含み益が出ている割合は半年ぶりに90%を割り込みました。今年の始めにアメリカの関税問題で相場が下落した際と同水準まで下落しました。短期では含み損を抱えるアドレスが増加しています。
長期投資家ポジション変化
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- 長期で保有されているビットコインのポジションは足元で大きく減少しています。相場が崩れたことで長期投資家は利益が出ているポジションの利益を確定してるいものと考えられます。今週の上値の重さも長期投資家の売りによる影響が考えられます。
まとめ
- 今週のビットコインは先週に続きマイナスとなることが予想され、2週連続の陰線となるでしょう。先週は過去高値を更新する動きがありましたが、相場状況は大きく変化しています。デリバティブ市場ではロングポジションの大きな清算があり、通常であれば反発のきっかけとなりますが、今週はまだ価格が高値圏で推移していることもあり楽観視はできません。長期投資家の売りも上値を抑える要因となっており、売りが一巡するまでは軟調な展開が予想されます。ここ2週間の高値からの売りはかなり強いものとなっており、相場が復調するには時間を要することが予想されます。