ショートポジションでは大きな清算発生、再度調整局面入りする前兆か?
今週の値動き
- 今週のビットコインは12月4日の585万円から取引が始まりました。今週は週始めから移動平均線の上位で推移となり、買いが先行しました。火曜日には年初来高値となる654万円まで上昇しました。一方、週央にはいると利益を確定する動きが強くなり、足元では620万円台まで下落。現在は526万円で推移し、移動平均線の下位となっています。短期ではこの移動平均線を超えられるかが注目ポイントとなります。週末に移動平均線を超える動きがあれば、来週は再度高値を目指す展開に期待です。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。現在は0.01%を超えており、やや相場の過熱感を示しています。相場は価格の上昇が続いているため、ここ2日間の下落時にもFRは上昇しています。足元では0.017%で推移し、2週間前と比べるとFRの水準は倍になっています。投機筋のロングポジション比率の上昇を示しており、高値警戒が必要です。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ショート側で清算が連発しています。火曜日に価格が640万円近辺まで上昇した際に1時間足で2200万ドルの清算が発生しました。その他にも今週は1000万ドル級の清算が多数ありました。2000万ドルを超える清算はここ1ヶ月間で最も高い水準です。現在の上昇トレンドが発生した1ヶ月前には3000万ドルを超える清算が発生しています。今週の清算額はここ1ヶ月間で3番目に大きいものとなりました。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は高値圏を維持も縮小傾向にあります。今週は価格の上昇時に一時9%近くまで上昇しましたが、現在は8%近辺まで下落しています。ここ1ヶ月間で見ると8%近辺でほぼ横ばいとなっています。先物取引の中長期的なポジションでは利益を確定する動きも見られ、短期の無期限先物取引ほどロングポジションは積まれていません。先物市場では高値を警戒する投機家が増えているようです。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- これまで下落していた取引所が保有するBTCの数量は小幅な上昇が見られます。同指標の上昇は600万円近辺から見られ、売り圧力の増加を示唆しています。現在の上昇は小幅に止まってますが、今後も上昇が継続するようなら相場に強い調整が入る可能性があります。今後も同指標の動向を注視していきたいところです。
2.含み益アドレス割合
- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、足元で価格が上昇していることから増加しています。今週の高値圏では90%近辺まで上昇しており、ほとんどの投資家のポジションで利益が出ています。今年のビットコインは円安の影響もあり、対円では価格が過去最高値に近づいており、日本人の含み益率はさらに高いと考えられます。バブル相場では同指標が90%以上で安定して推移することがあり、バブル相場に近づいていることを示唆しています。
まとめ
- 今週のビットコインは年初来高値となる654万円を記録しました。足元で価格は下落していますが、週全体ではプラスで推移しています。一方、FRでは短期的なデリバティブ市場での過熱感が示されています。取引所保有のBTCも小幅に上昇しており、今後の相場は押す展開も予想されます。週足は2週連続で大きな陽線となることが予想され、長期のチャートでは強い相場となっていますが、短期では高値を警戒する必要がある水準にまで価格は上昇しています。1ヶ月前にショートポジションの大きな清算が発生した際は、相場が揉み合う動きに移行する動きも見られ、来週以降は再度高値圏での調整局面に入る可能性があります。