イーサリアム開発者マイニング報酬の減額を検討

イーサリアムのGithubページにあるEthereum Improvement Proposal(EIP)にマイニング報酬を減額する提案があり議論が開始された。提案されたEIP2878によると、現在のブロック報酬の2ETHは高すぎるため0.5ETHに減額する必要があるとのことだ。
イーサリアムのマイニング報酬は2019年にも変更されており、当時は3ETHから2ETHに変更された。2019年の減額率は約33%だったが、今回提案された減額率は75%に上るためマイナーからの慎重論も聞かれる。
現在およそ110,875,500ETHが市場に出回っており、年間4,982,250ETHが新規にマイングされているためインフレ率は4.49%となる。高すぎるインフレ率はETHホルダーにとって好ましくないと開発者は考えている。
今後予定されているネットワーク・アップデートグレードのETH2.0に移行すると、インフレーションはさらに進行する設計になっているため、移行前にマイニング報酬を減額する狙いもあるようだ。
また、現在のイーサリアムのインフレ率はビットコインの1.78%よりも高いことを開発者は懸念しているようだ。インフレ率が高いコインほど購買力は早く落ちるからだ。現在のビットコインはおよそ18,375,000BTCが市場に出回り年間328,500BTCがマイニングによって新規に発行されている。
マイニング報酬の減額はマイナーからの反感を買うと予想されるが、開発者は最近のトランザクション手数料の高騰がこれを賄うと考えている。8月現在、トランザクション手数料は1ブロックあたり1.8ETHとなっており、0.5ETHのマイング報酬を加えると2.3ETHになるためマイナーの収入に大きな影響はないという。
EIP2878に関しては、これからさらに深い議論が進められるとみられ、実際にマイニング報酬を減額するか検討される。マイング報酬額の変更は今後のETH価格にも大きな影響を与えるため議論の行方に注目が集まる。