Bitcoin Weekly Review: 市場全体からは売りが出やすい材料が多数、上値が重い要因となる
今週の値動き
- 今週のビットコインは1月30日、310万円近辺の高値から取引が始まりました。週始めは売りが優勢な相場となり、強く押す展開となりました。1月31日には一時296万円まで下落しました。今週はアメリカの中央銀行の政策発表(FOMC)があることも影響し、イベント前に利益確定の売りが殺到しました。2月2日の明朝に政策発表が行われ、市場の予想通り0.25%の利上げが公表されると相場は一気に上昇しました。一方、価格は再度310万円を試すもレジスタンスを超えることができず反落。価格は現在、24時間移動平均線(24EMA)の下位となる303万円で推移しています。短期では売りが優勢となっており、移動平均線の下位での推移が続いた際は今週の安値を試す展開に注意が必要です。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
- 無期限先物取引の資金調達率はプラスで安定的に推移しています。1月半ば以前の260万円以下で推移していた時は、マイナスで推移することも多々ありましたが、現在はロングポジションの比率が増えたためプラスで推移しています。現在は0.01%で推移しています。300万円近辺で価格が上抜けできない要因となっていると考えられます。このまま資金調達率がプラスを維持するなら、上値が重い展開が継続するでしょう。
2.ロング・ショート清算
- ロングポジションとショートポジションの清算推移は、今週、価格が高値で押した際にロングポジション側で2300万ドルの清算が発生しました。ここ2ヶ月間で最も高い水準となりました。ショートポジションでは1000万ドル程度の清算が発生しましたが、徐々にショートポジションの清算は縮小傾向にあります。ショートポジションは1月の上昇時にかなり清算されたものと考えられます。今後、多くのショートポジションを巻き込んで上昇する可能性は低そうです。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物取引は今週、足元の高値を更新し一時3.8%まで上乖離しました。ここ6ヶ月間で最も高い水準となり、先物取引はかなり買いに偏りつつあります。デリバティブ市場では強気筋が増加していることを示しています。今後利益を確定するための売りが予想され、上値が重くなる材料となるでしょう。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTC保有数は今週はほぼ横ばいの推移となっています。取引所へのBTCの送受信がほぼ拮抗していることを示しています。一方、1月後半に290万円を付けた頃から比べると増加しています。300万円近辺で売りたいユーザーが一定数いると考えられ、現在の売り圧力となっています。
2.含み益アドレス割合
- ビットコインアドレスで含み益が出ているアドレスの割合は足元で急回復しています。ここ半月で10%以上も上昇しており、多くの投資家が利益を出していることを示しています。含み益割合が上昇すると利益を確定しようとする動きが増えると予想されます。足元で300万円台で揉み合いとっている背景には、短期の利確売りが増加している事が影響していると考えられます。
3.プロフィット/ロス・レシオ
- 上記の指標はビットコインの送金時の利益/損失の割合を示しています。今週は同指標が大きく上昇しており、利益が出ている状態の送金が増えていることを示しています。今週は利益が出ている送金が、損失を出している送金の約5倍あったことが確認されています。送金の一部は取引所で売られる事が想定されます。こちらのオンチェーンデータでも売り圧力の増加を示唆することになりました。
まとめ
- ビットコインの値動きは底堅さが見られる一方、レジスタンスを超えて上昇する勢いにも欠けていました。現在の価格も移動平均線を下回っており、週末は上値が重い展開が予想されます。デリバティブ市場ではロングポジションが増加しており、上値が重い一因になっています。ブロックチェーンデータでは、含み益増加による利確売りが予想されます。今週は売られやすい材料がある事が市場の全体から読み取れます。