10.8万ドルで上げ渋るBTC 米利下げ期待強まるもPCEに注意

26日のビットコイン(BTC)円は1554万1円から取引が始まった。東京時間序盤は前日にトライした10万8000ドル水準(≒1563万円)を試し、一時は1566万円まで上昇するも上げ渋りに転じ、終盤にかけてやれやれ売りが入った。また、ドル円相場の下落も円建てBTC相場の重石となり、欧州時間には1540万円台に下落した。その後発表された一連の米経済指標では、GDPが予想を下振れた一方、耐久財受注が大幅に上振れるなどまちまちな内容となったが、債券市場はFRBの早期利下げを徐々に織り込み、BTCは1562万円まで反発。しかし、米国市場引け後には戻り売りが入り、終値は1549万9000円となった。


前日に引き続きドル建てBTC相場は10万8000ドルをトライするも、上げ渋る展開が続いた。ただ、米GDP成長率の下振れや失業保険継続申請件数の急増を受けて、市場ではFRBによる9月の利下げが完全に織り込まれ、BTC相場の下支えとなっている格好だ。一方、トランプ減税を巡っては、上院議事運営専門員のエリザベス・マクドノー氏がメディケイドの削減を拒否したことで、今週中の採決開始が危ぶまれ、BTCにとっては期待されていた直近での「アメリカ売り」再開の可能性が低下した。本日は5月の米PCEデフレーターを控えているが、市場予想では前年同月比での伸び加速が予想されており、足元の利下げ期待に水を差す可能性が指摘され、目先のBTCは押し目を探る展開に注意したい。



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bitbank Report 2025/06/27:10.8万ドルで上げ渋るBTC 米利下げ期待強まるもPCEに注意