BTC週足は反転上昇 下降チャネル上限を試す動き

23日〜29日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比85万8593円(5.80%)高の1566万1957円と反発した。
中東情勢を巡る地政学リスクの後退で先週前半のBTC円は1460万円から一時1570万円を回復した。一方、週央からはドル建てで10万8000ドルを背に上げ渋りに転じ、小動きに終始した。27日には、5月の米個人消費支出(PCE)デフレーターが前年比で加速したが、トランプ政権が相互関税の交渉期限を延長する可能性を示したことで米国株相場が上昇し、BTCの下値も支えられた。
週末もBTC円は1550万円での揉み合いが続いたが、600ドル以下の暗号資産(仮想通貨)少額決済の免税が盛り込まれたバイデン政権時代の「ビルド・バック・ベター法案」の修正案採決が本日にも迫る他、米上院がトランプ減税法案の採決を進めることで合意したことで、29日の米国時間から上値を窺う展開となっている。

5月の米PCEデフレーターは懸念していた通り市場予想を上回ったが、月間の個人支出が大幅に悪化したこともあり、景気減速による利下げ期待が寧ろ強まった。指標発表当日こそBTCはドル建てで10万8000ドルが相場のレジスタンスとなったが、ビルド・バック・ベターの修正案採決やトランプ減税法案の近日中の成立が可能性として浮上したことで、週末に同水準の上抜けに成功した格好だ。
加えて、先週からはトランプ大統領が米連邦準備理事会(FRB)の人事について発言を繰り返しており、4月ぶりにFRBの独立性が懸念される形となっている。米金融システムの健全性毀損や財政悪化への懸念は今年の4月〜5月にBTC相場を押し上げた要因とも言え、足元のBTC相場は上昇機運が高まっていると指摘される。米国債市場でも、直近では利回り曲線のスティープ化が進んでおり、BTCにとっては相場上昇の条件が整いつつあると言える。
目先では、10万9000ドル(≒1573万円)を走る下降チャネルの上限をブレイクできるかが焦点と言え、成功すれば史上最高値の11万2000ドル(≒1617万円)を試す展開が視野に入る。




