BTCは押し目待ちに押し目なし 調整後のアップサイドリスクに注意

9月29日〜10月5日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比171万2643円(10.21%)高の1848万2202円と大幅反発して週足終値ベースで史上最高値を更新した。
米政府機関の閉鎖と利下げ期待により、先週のBTC円は1700万円を回復すると、その後はドル安と米金利低下が続くなか上昇一色となった。3日に全米供給管理協会(ISM)が発表した9月の非製造業PMIが市場予想を下回ると、相場は更に上昇し1800万円を回復。8月14日に付けた史上最高値1824万円を更新した。
週末に入ると相場は1800万円周辺での揉み合いに転じたが、5日には再び上値を試し1855万円まで上昇した。しかし、直後にはバイナンスが大量のBTCとETHを移動させていることがオンチェーン上で確認され、BTCは上に往って来いを演じた。
今朝方、外国為替市場が再開すると、週末の自民党総裁選で積極財政派の高市早苗氏が勝利したことで円安が進み、円建てBTC相場は1850万円近辺まで再度浮上した。

米政府機関の閉鎖を契機にBTCは上値を追う展開となり、1日にはドル建てでダブルボトムが完成(第2図)。その後も勢いは続き、2日には心理的節目の12万ドルをも回復した。5日には8月14日の史上最高値12万4429ドルを一時上回り、初めて12万5000ドル台を記録した。
ただ、4日の時点で「もう一段上昇した後には調整が入る可能性」について指摘した通り、テクニカル的にも相対力指数(RSI)が70を超えており、目先ではある程度の反動に引き続き注意したい。オプション市場では、相場が最大ピンとなる12万ドルストライクを上回ったにも関わらず、OTMコールを積極的に物色する動きは依然として確認されない。強いて言えば、12万4000ドル〜13万5000ドルコールの建玉が直近数営業日で若干増加しており、調整完了後は13万ドル台を試す展開が視野に入る。

尤も、政府機関の閉鎖リスクが濃厚となった先週の週明けから米国の現物ビットコインETFへの資金流入は急増しており、無国籍資産に向かう逃避資金の流れは強い。現状、予算案を巡るホワイトハウスと民主党の対立は、お互いが妥協することを待って手詰まり状態であり、こうした資金の流れは今週にかけても継続する公算が高いと言えよう。また、閉鎖が長期化すれば景気への下押し圧力も強まると指摘され、FRBによる利下げの継続期待が高まるだろう。
よって、目先のBTC相場は過熱感から上昇一服となる可能性が指摘されるが、値幅調整というよりも高値圏で揉み合う展開が見込まれる。また、こうした日柄調整も短期でこなす可能性も十分にあるとみていおり、調整後のアップサイドリスクには注意しておきたい。




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bitbank Report 2025/10/06:BTCは押し目待ちに押し目なし 調整後のアップサイドリスクに注意