BTCの週足連騰記録は閉幕 デリバティブ市場で息切れ感も

11日〜17日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比448,334円(7.06%)安の5,905,796円と反落し、前週の上げ幅の殆どを掻き消した。ドル建てBTC相場の週足連騰記録も8でストップした。
ハト派サプライズとなった先週14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、600万円周辺から一時は620万円を回復したBTC円だったが、Ledgerのコネクターの脆弱性検知や11月の米小売売上高の上振れを受けて伸び悩むと、15日は売り先行で始まり、610万円の維持に失敗した。さらにこの日の米時間には、米NY連銀のウィリアムズ総裁とアトランタ連銀のボスティック総裁が市場の早期利下げ観測を牽制したことにより、ドルと米2年債利回りが上昇し、BTCは下値を模索する展開となり600万円をも割り込んだ。
週末のBTC円は自律反発の様相で一時は600万円を回復するも、買いは続かず、今朝方にはシカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物が取引を再開すると相場は590万円付近まで下落している。

ウィリアムズ総裁は15日、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを議論していることを否定し、ボスティック総裁は利下げ時期について来年の第三・四半期と指摘した。市場がFRBによる早期利下げを過度に織り込んでいることを予てから指摘してきたが、15日のFRB高官らによる市場の楽観牽制を受けても尚、FF金利先物市場では来年3月の利下げ開始(上限5.5%→5.25%)を60%ほど織り込んでいる。ただ、市場は5月にFF金利の誘導目標上限が5.5%となることを60%ほど織り込んでおり、利下げ開始時期について思惑が錯綜し始めている(第2図)。
一方で、FOMCと市場の2024年末時点のFF金利見通しは、それぞれ4.75%と4.0%と、差は依然として75ベーシスポイント(bp)も開いており、引き続きFRBによる市場の牽制には警戒しておきたい。

他方、BTCのデリバティブ市場では、今年の相場上昇を牽引してきたCMEの先物とデリビットのオプション市場で建玉の伸びに頭打ち感が出始めており、今週もBTCは上値の重い展開が続くか(第3図)。特にCMEは機関投資家が中心の市場であり、年末にかけてのホリデーシーズンに入れば取り組みは一層落ち着くと指摘され、今年中にBTC相場が年初来高値の45,000ドル(≒640万円)を回復するのは徐々に厳しくなってくるか。
ただ、オプション市場では40,000ドルストライクが引き続き最大ピンとなっており、引き続き40,000ドル近辺(≒569.3万円)では相場が買い支えられやすいと言え、今週のBTCは高値揉み合いをメインシナリオとして想定する。今週は週後半に米国の第三・四半期GDP成長率確定値や、11月の個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えており、BTCが45,000ドルを試す余地もまだあるかと指摘されるが、足元のBTCの相場水準から鑑みるに、同水準の上抜けはより強い材料が必要か。





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bitbank Report 2023/12/18:BTCの週足連騰記録は閉幕 デリバティブ市場で息切れ感も