FRB議長発言でBTCはレジスタンスをブレイク CMEでは大きな窓も

11月27日〜12月3日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比245,690円(4.38%)高の5,858,001円と反発し、年初来高値を更新。ドル建てでは7週続伸となり、コインベースでは心理的節目の40,000ドル上抜けを試す展開となっている。
30日、米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言を受け上げ渋っていたBTC相場だったが、売りが一巡すると翌12月1日の東京時間に反発し、これまで相場の強い抵抗となっていた38,000ドル水準(≒556.8万円)の上抜けに成功した。この日の米時間序盤には、パウエルFRB議長の発言を控えやや上げ幅を縮小したが、米供給管理協会(ISM)が発表した11月の製造業購買担当者景気指数の下振れを受けて下げ止まると、パウエル議長が追加利上げに慎重な姿勢を示したことで、BTCは反発した。
BTCは1日に終値で38,000ドルの回復に成功すると、イーサ(ETF)やソラナ(SOL)といった主要アルトが物色され、循環の流れで週末のBTCも堅調な推移となると、今朝方には40,000ドル水準となる586.2万円を試す展開となった。

パウエル議長は1日、「利下げ時期について考えるのは時期尚早」としながらも、現状の政策は「相応に抑制的な領域にある」とし、改めて景気を抑制しすぎるリスク(政策の引き締め過ぎ)とインフレを再加速させてしまうリスク(政策の緩め過ぎ)の均衡が取れていると発言し、市場にはハト派的と捉えられた。こうした発言を受けて市場では、米債利回りが急低下し、BTC相場の支援となった格好だ。FF金利先物市場では3月の利下げ開始が60%織り込まれ、大多数が来年第一・四半期中の利下げ開始を予想している(第2図)。

今週もISM製造業PMIや米雇用関連指標の発表が立て続けに予定されており、引き続き米経済活動の減速や労働市場の逼迫解消が示されれば、BTC相場にはプラスとなろう。
BTCは本日すでに上値目途として指摘した40,000ドルを上回って取引されており、テクニカル的にも過熱感はなく、今週も確りとした推移が期待できる。ただ、シカゴ・マーカンタイル取引所の12月限のBTC先物は、週末の現物相場上昇により800ドルほどの上窓ができており、上げ一服後の値幅調整には十分に注意しておきたい。
BTCの目先の上値目途は、月足一目均衡表の雲上限と基準線が位置する41,664ドル〜42,230ドル(≒610.8万円〜619.7万円)エリアが挙げられる。調整が入った場合、CMEのBTC先物の1日終値となる39,225ドル(≒472.8万円)近辺までの下落は視野に入れておきたい。




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bitbank Report 2023/12/04:FRB議長発言でBTCはレジスタンスをブレイク CMEでは大きな窓も