意外と確りなBTC オプションカット巡る攻防に注目

23日のビットコイン(BTC)対円相場は130,281円(4.80%)高の2,846,568円と反発。対ドルでは21,000ドル(≒283万円)を回復したが、200週移動平均線(22,425ドル≒302万円)の回復には至っていない。
295万円にワンタッチした後、反落に転じたBTC相場だったが、週央からは米株先物の反発もあり20,000ドル(≒274万円)周辺で切り返すと、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、「需要減退のサインが見え始めている」と発言し、7月の利上げ幅を50ベーシスポイント(bp)に下げる余地があることを示したことや、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言の冒頭で追加のタカ派材料が出なかったことが安心感に繋がり、相場は一時280万円台中盤まで戻した。
その後、パウエル議長が経済のソフトランディングが非常に困難と発言し、景気後退となる可能性を否定しなかったことで相場は一時20,000ドル水準を割ったが、節目の水準で下げ止まり反発。二日目の議会証言でもパウエル議長は景気後退の可能性について発言したが、政策については追加のサプライズはなく、BTC相場は米市場序盤に押したが、終盤にディフェンシブセクターの株価が反転したこともあり切り返すと、今朝方にはショートのロスカットも若干入り21,000ドル水準を回復した。


パウエル議長の議会証言は、金融政策に関してはやはりサプライズはなく、材料出尽くし感もあってかBTC相場は底堅い。また、リセッションについての発言を受け原油を始めコモディティ相場の一部は反落、米長短期金利も急低下し警戒感を誘うムードも確認されるが、リスクアセットのBTCは案外確りとしている。
さて、本日はDeribitのオプションカット(午後4時)に注目が集まる。予て指摘の通り、20,000ドルストライクのプットオプションには建玉が集中(約11,000枚)しており、ショートガンマのヘッジで相場には売り(ショート)が入りやすく、20,000ドルを相場が割れば、一層売り圧力が増しやすくなる状況と言える。オプションカットに向けて20,000ドルプットをイン・ザ・マネーに押し込む(相場を20,000ドル以下に下げる)動きにも注意したいが、オプションカットの時点で相場が20,000ドル以上であれば同水準でのプットは無価値となり、ヘッジのBTCショートが巻き戻す可能性もあるため、欧州序盤に向けた相場の動きには注意したい。


