耐えるビットコイン 今夜反発してもトレンドは反転しないか?

14日のビットコイン(BTC)対円相場は36,204円(1.19%)安の2,995,907円と節目の300万円を割り込み、8日続落した。
stETHのETHとのパリティ割れや、stETHを大量に保有するレンディングプラットフォームCelsiusの出庫などの一部サービス停止、さらには週末の米株急落の流れを汲み下落したアジア市場のリスクオフムードを受け、週明けのBTC相場は下げ一色となり360万円から一気に300万円割れを試す展開を繰り広げると、14日の東京市場で日経平均株価が安寄り後に26,500円を割り込むのを眺め、280万円近辺まで下落した。
その後は、日経平均の下げ止まりや米株先物の反発もあり310万円まで戻す場面もあったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)を目前に買いは続かず、米Coinbaseの人員18%削減発表や米株もジリ安となったことで米時間のBTC相場は上値を重くした。


BTC対円は13日に終値でボリンジャーバンドの-3σを割り込み、RSIも30を割り込んだことから、テクニカル的には流石に売られ過ぎとなったか。対ドルでは、BTCは週足200週移動平均線(22,361ドル≒302万円)周辺で揉み合っており、今夜のFOMCが短期保ち合いから相場がブレイクする切っ掛けとなりそうだ。
週明け指摘の通り、今回のFOMCでは50ベーシスポイント(bp)の利上げペースを速めないと見ているが、市場は75bp利上げを織り込んでいる。それだけに今回利上げペースが加速されなければリスクオフの巻き戻しが起こることが想定される。ただ、結果が出るまで市場の警戒ムードは解消され難いだろう。さらに、結果を警戒して米株の売りが膨らむ可能性もゼロではないため、16日午前3時までは様子見が無難だろう。
他方、マイナーを巡る需給バランスの側面では、実需の売りが出やすい状況が続いている。相場が急激に回復するか、採掘難易度を極端に低下させなければ需給関係の改善は難しいと言え、現状では前者のシナリオは想定し難い。今夜のFOMCで仮にリスクオフの巻き戻しが起きたとしても、戻り売りが入りやすく、相場回復のスピードを抑える要因となりそうだ。



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bitbank Report 2022/06/15:耐えるビットコイン 今夜反発してもトレンドは反転しないか?