不安定な仮想通貨市場 STEPNがアルト売り主導か

26日のビットコイン(BTC)対円相場は45,947円(1.22%)安の3,708,298円と小幅に続落した。
Best Buyの業績不振や、SnapchatとNVIDIAの見通し引き下げなどを受け米国の景気減速観測が強まる中、週央からのBTCは概ね370万円後半での揉み合いが続いた。26日未明には、5月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で夏以降の金融引き締めペースが緩む可能性も僅かに浮上し382万円にタッチする場面もあったが、ドル建てで節目30,000ドルとなる同水準で上値を抑えられた。
昨日の東京時間でも相場は370万円台後半での揉み合いとなったが、アルトコイン主導で、市場全体で売りが加速すると、BTCも連れ安となり一時は356万円付近まで押した。
一方、これまで暗雲が立ち込めていた米小売の決算で、昨日はDollar General、Dollar Tree、Macy’sが揃って好決算と見通し引き上げを発表。これを受けて米市場では主要3指数が大幅続伸し、BTCも下げ幅をほぼ奪回した。引け後のコストコの決算も収入が市場予想を上回った。


昨日は人気アプリSTEPNの運営会社が中国でのサービス停止を発表し、ガバナンストークンのGMTが急落した。発表は深夜にあったが、相場は昨日の東京時間から下げ始めており、アルトコインの下げを主導したようにも見えた。他方、アルトコインの多くはGMT下げの巻き添えをくらい大幅安となっているが、BTCは下げ幅をほぼ帳消しにしており市場占有率が一段と高くなり、暗号資産(仮想通貨)市場内でBTCへの逃避が指摘される。BTC相場はドル建ての前年安値の28,800ドル(≒366万円)を終値で死守し続けており、危うくも底堅い展開が続いている。
今週の懸念材料だった主要な米小売企業の決算を意外にも無事に通過することができた。今夜は4月米個人消費支出(PCE)の発表があり、消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)同様に頭打ちの兆しが確認されれば、夏以降に米連邦準備制度理事会(FRB)が政策引き締めペースを緩める公算が高くなり、リスクオフムード巻き戻しに拍車を掛けるか。
ただ、仮想通貨市場全体で言えば主要アルトコインは終値ベースで保ち合い下抜けとなっている銘柄が多く、アルトのテクニカル的な売りには注意したい。また、これまでBTC相場の大底で点灯してきた先物市場やオンチェーンのシグナルも、依然、相場の底入れを示唆しておらず、足元の底堅さがどこまで信用できるかやはり疑念が残る。


