重くのしかかったFOMC議事要旨 ムード好転のチャンスあるか?

7日のビットコイン(BTC)対円相場は47,761円(0.89%)高の5,395,916円と反発。前日は290,111円(5.15%)と大幅に押したが、この日は43,000ドル水準となる530万円周辺で下げ渋った。
米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事による強いタカ派発言を受け、5日から6日に掛けて下値を模索したBTCは、7日未明に公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)3月会合の議事要旨で、量的引き締め(QT)が急速なペースで行われることが概ね合意されていたことがわかり、さらに一段と水準を下げ、8日東京時間の序盤におよそ2週間ぶりに530万円を割り込んだ。
しかし、相場が43,000ドルを割り込むと安値拾いの買いが入り、対円では530万円台後半を回復、残りの東京時間は小幅往来となった。
海外時間に入ると、相場は一時上値を試すも、ロシアに対する追加制裁が打ち出され、国連人権理事会からの追放を決める投票が迫る中、上値は限定的だった。また、2日目を迎えたbitcoin 2022では、strike CEOのジャック・モーラーズ氏から、strikeのShopify、BlackHawk、NCRとの提携が発表され、好材料が相場の下値を支えたが、上値を伸ばすことはできず、540万円を挟み込み揉み合いに終始した。


昨日のbitcoin 2022では、ホンジュラスなどの一部の国がビットコインの通貨認定を発表したが、相場はタカ派に傾斜したFRBメンバーとFOMC議事要旨を消化した格好か。45,000ドル(≒558万円)が続伸できるか否かの分水嶺と指摘したが、相場は6日に同水準を終値で割り込んでおり、48,000ドル(≒595万円)超えにはまだまだ時間がかかりそうだ。ただ、6日の下落にはある程度の出来高も伴っており、7,000万ドルほどのロングポジションが清算された。また、昨日は先物市場での取組高の増加に対し、資金調達率がマイナスにやや振れており(ショートが積み上がっていることを示唆)、悪材料消化で戻りを試す余地はあるだろう。
bitcoin 2022は現地時間9日まで続くため、今週はまだ好材料が出る可能性が残されていると言えよう。結局、45,000ドルを割り込み、上昇トレンドに水を差されたBTC相場だが、目先では昨日の安値をサポートに48,000ドルとの間での高値揉み合いを目先のメインシナリオとして想定している。



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bitbank Report 2022/04/08:重くのしかかったFOMC議事要旨 ムード好転のチャンスあるか?