ウクライナ情勢緊張緩和でBTC続伸 逆三尊完成なるか?

15日のビットコイン(BTC)対円相場は236,176円(4.80%)高の5,157,085円と2日続伸し、節目の500万円を回復。対ドルでは、45,000ドル(≒520万円)上抜けを試す展開となっている。
ウクライナ情勢が懸念される中、週明けには米国がウクライナの米大使館閉鎖を発表したことや、セントルイス地区連銀のブラード総裁が7月までの100bp利上げの意向を示したことが株価の重石となり、BTCも上値を抑えられる格好となったが、対ドルの41,000ドル台中盤で買い支えられ底堅く推移した。
15日朝方には、米証券取引委員会(SEC)から規制違反を指摘されていた暗号資産(仮想通貨)レンディングのBlockFiが1億ドルで同委員会及び32の州と和解の報を受けて相場は持ち直し、500万円を回復し週末の下げ幅を奪回した。さらに、海外時間に入ると、ロシア軍の一部部隊がウクライナ国境付近での演習後に撤退を開始したとの報道が転がり込み、緊張緩和への期待から欧米株が反発。BTCも一段と上値を伸ばし516万円付近まで上昇した。


エスカレートする一方だったウクライナ情勢がここにきて一転した。しかし、バイデン大統領は昨日、ロシアによるウクライナ侵攻は依然として起こり得ると発言。クレバ・ウクライナ外相も警戒感を緩める様子はなかった。こうした中でウクライナに対するロシアのサイバー攻撃に対し、米国がロシアに報復措置をとる意向を示すなど、依然として事態の正常化は程遠いと言った具合だ。
BTC相場は、40,000ドル(≒462万円)割れを試すシナリオを回避し少し息を吹き返した様子だが、軍事的緊張感の更なる緩和がない限り相場の上値は限定されよう。チャート上では、トレンド転換サインとしては確度の高いと言われる逆三尊(トリプルボトム)を形成しているようにも見えるが(第2図)、ウクライナ情勢の他にも3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での50bp利上げの可能性も見え隠れしており、やはり積極的に買いが入りやすい環境とは言い難い。現状、トリプルボトムのネックラインは530万円近辺となっているが、同ラインの上抜けは相応に難しそうだ。


