早期QTの可能性に怯んだBTC 4万ドル守れるか年初から修羅場

6日のビットコイン(BTC)対円相場は44,616円(0.88%)安の5,007,900円と5日続落し、節目500万円割れを試す展開となっている。
この日明朝に公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)12月会合の議事要旨で、殆どの参加者が前回の政策正常化局面よりも早期且つ急速なバランスシートの縮小(QT)に意欲を示したことが明らかとなり、BTC相場は米株の下落に連れ安となり、昨年12月から続いた520万円〜600万円レンジを下方にブレイク。対ドルで節目となる43,000ドル(≒498.2万円)絡みで下げ止まり、米株市場序盤の反発やアルトコイン高を味方に前日終値まで戻すも、米株が引けにかけて売られるとBTCも上値を重くし反落。43,000ドル水準を巡る攻防が続いている。


想定以上にタカ派的な内容となり、嫌な予感が的中してしまったBTCだが、底ボラティリティが続いた割には下げ幅は大きくなく、下値目途として指摘した40,000ドル(≒464.6万円)まで下げることはなかった。しかし、議事要旨には逼迫した(タイトな)労働市場への言及もあり、今夜の米雇用統計で月間雇用者数の堅調な伸びが示されれば、早くて3月の利上げ引いては早期QTが正当化されることとなり、BTCは今度こそ40,000ドルを目指すシナリオが視野に入る。
議事要旨公開後には当局者から相次ぐタカ派発言も出ており、期待インフレ率(BEI)は直近2営業日で急反落している。また、ビットコインのハッシュレート自体は、現状、大きな影響を受けていないが、カザフスタンでのインターネット遮断による暗号資産(仮想通貨)マイニングへの懸念や、米議会で早くて今月中にも開催されるマイニングの環境負担についての公聴会を巡り、市場はやや神経質になり出したか。
来週には複数の米インフレ指標の発表を控えているが、それまで上値の重い状況が続きそうだ。



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bitbank Report 2022/01/07:早期QTの可能性に怯んだBTC 4万ドル守れるか年初から修羅場