ビットコインは窓埋め完了で戻り一服感 節目5万ドルを守れるか

7日のビットコイン(BTC)対円相場は9,432円(0.16%)高の5,749,750円と小幅に続伸した。
新型コロナウイルスのオミクロン変異株に対する懸念が後退し、市場のリスク選好度が回復する中、6日のBTC相場はジャック・ドーシー氏率いるBlock(旧Square)のSpiralによるLightning Development Kit(LDK)の発表を好感し、536万円から反転上昇。終値を570万円台中盤に付け、対ドルでは節目の50,000ドル(≒567.4万円)を回復すると、7日東京時間はコロナ懸念の後退と、中国人民銀行による預金準備率引き下げを受けたアジア株の地合い回復に支えられる格好でBTC相場はジリ高となり、584万円を背に底堅い推移となった。海外時間に入ると、相場は一時576万円まで反落する場面もあったが、高寄りした米主要3指数に連れ高となり、52,000ドル(≒590万円)にタッチした。
これによりCMEの窓埋めに成功すると、戻り売りが入り残りの米時間は下げ一色となり、相場はこの日のマイナス圏に沈んだが、米市場引け後のBTCは50,000ドル絡みで買い支えられ、節目の水準は死守した。

オミクロン変異株は感染力が強い一方で、感染による症状の重症化率がそれほど高くないとの見方が広がり、週明けに想定していた広範な市場でのリスクオフは起こらず、BTCも想定以上に底堅く早くもCMEの窓埋めに成功した。ただ、指摘の通り、窓埋め完了の水準となる52,000ドルが相場のレジスタンスとなっており、上値は限定的だ。
こうした中、ヘッジファンドによる巨額のイーサ(ETH)購入を指摘する報道や、Google元CEOエリック・シュミット氏がチェインリンク(LINK)の戦略アドバイザーに就任するなど、ポジティブなヘッドラインも見られ、昨日の暗号資産(仮想通貨)市場は上げ下げまちまちだった。
BTC相場は引き続き不安定な値動きを想定している。16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までテーパリングペース変更、引いては利上げタイミングのヒントが掴めない状況が続くだけでなく、今週は10日に米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、市場では6.8%(前回6.2%)の上昇が予想されている。10月のCPIは驚愕の数値となり、BTC相場はインフレヘッジとリスクオフの綱引きで不安定な値動きとなったのが記憶に新しく、同様の相場展開が想定される。
BTC相場は窓埋めを完了したことで、戻り一服感で目先は押し目を探るか。50,000ドルが足元でサポートとなっているが、同水準の維持に失敗すれば7日朝方の上げ幅を解消する展開が視野に入る。





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bitbank Report 2021/12/08:ビットコインは窓埋め完了で戻り一服感 節目5万ドルを守れるか