ビットコインは4万ドルで踊り場形成 テクニカル的に買い控えか

29日のビットコイン(BTC)対円相場は18,136円(0.41%)安の4,379,508円と小幅反落。前日までの相場は8連騰し、320万円から一時450万円まで上昇していた。
この日の相場は方向感に欠ける展開に終始し、対ドルで心理的節目の40,000ドル(≒437万円)を挟み込み踊り場を形成。前日の米時間には一時430万円割れを試したビットコインだったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見がハト派に受け止められ切り返した。しかし、米超党派による1.2兆ドルのインフラ投資法案に暗号資産(仮想通貨)で3兆円の税収計画が盛り込まれることが伝わると、440万円周辺で上値を重くした。
昨日は目星い材料に乏しい中、欧州勢参入後に保ち合い上放れをトライするも失敗し反落。その後、米新規失業保険申請件数が市場の予想を上回り、パウエル議長の「(雇用と物価の)目標達成までまだ距離がある」との発言を裏付ける結果となると相場も切り返したが、節目440万円で戻り売りが入った。一方、今朝方に開かれたマイクロストラテジーの決算報告でマイケル・セイラーCEOが今後もビットコインを購入し続ける意向を示すと、相場は432万円周辺から切り返している。

8連騰からやや失速気味のビットコインだが、昨日はアルトコインに物色買いが入っており、イーサ(ETH)とビットコインキャッシュ(BCC)はそれぞれ2.87%と4.85%上昇した。
足元の上値の重さはおそらくテクニカル的な要因があるだろう。21日から28日の間に破竹の勢いで130万円ほど上げたビットコインだが、相場が一目均衡表の雲上限にタッチした他、相対力指数(RSI)は既に「買われ過ぎ」水準となる70%に達している(第2図)。昨日は出来高も直近数日と比較して低下していることから、テクニカル的な節目や短期的な過熱感から買い控えムードが広がったと指摘される。
ただ、米株式市場ではフェイスブックやアマゾンなどが決算絡みで売られているが、全体としては国内総生産(GDP)の粘り強い改善が好感され、主要3指数は底堅く推移している。また、米10年債の実質金利も引き続き過去最低水準を更新している。よって、目先では短期的な過熱感から一度押し目を付ける展開にも注意を要するが、基本的には引き続きレンジ上限の43,000ドル(≒471万円)を試す展開をメインシナリオとして想定している。





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bitbank Report 2021/07/30:ビットコインは4万ドルで踊り場形成 テクニカル的に買い控えか