節目3万ドルを割ったビットコイン 「最後の砦」を守れるか?

20日のビットコイン(BTC)対円相場は104,347円(3.09%)安の3,175,655円と二日続落。19日に続き相場は押し、週明けからはすでに6.27%下落している。対ドルでは、1月1日ぶりに心理的節目の3万ドルを終値で割り込んだ。
東京時間のこの日の相場は、338万円から324万円周辺まで一段安。米ニュージャージー州司法長官室がBlockFiに対して付利口座提供の停止命令を通達したことが売りを誘った。その後は米株の反発を受けて下げ止まるも、欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会(EC)が、金融活動作業部会(FATF)のトラベル・ルールに則り暗号資産(仮想通貨)関連業者に対して匿名の個人ウォレットへの送金を禁止する提案を提出したこともあり、相場は3万ドル(≒330万円)絡みで上値を抑えられている。

デルタ株感染拡大による週明けの急速なリスクオフに加え、欧米での仮想通貨規制(イエレン米財務長官が対ステーブルコイン規制枠組み整備を要求、BlockFiに一部業務停止命令、EUがトラベル・ルール遵守の提案)により、ビットコインは3万ドル割れとなり、対ドルでは年初来の上げ幅を掻き消そうとしている。ただ、ビットコインは終値ではレンジ下限となる6月22日安値の320万円をまだ守っている。対ドルでは、レンジ下限は28,800ドルとなっており、317万円〜320万円エリアが「最後の砦」となりそうだ。
本日は仮想通貨イノベーション評議会(CCI)が主催するイベント、「The ₿ Word」が開催される(22日午前1時〜)。本イベントにはイーロン・マスク氏も登壇者として参加する予定となっており、同氏の発言には良い意味でも悪い意味でも注目が集まる。イベント自体はビットコインの社会への浸透を目的としているため、これを切っ掛けに市場にも少し活気が戻ってくるか。
米株も昨日は押し目買いが広がり大幅に反発しており、急速なリスク回避の動きは一旦落ち着いた格好だ。ただ、週明けにも指摘の通り、テクニカル的なセンチメントは悪化傾向にあるため、決して視界良好という訳ではなく、目先では反動で少し戻すシナリオを想定しているが、引き続き上値の余地は限定的か。まずは節目の3万ドルを回復できるか否かが焦点となろう。





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bitbank Report 2021/07/21:節目3万ドルを割ったビットコイン 「最後の砦」を守れるか?