BTC週足は24週ぶりに350万円割れ 今夜は米ステーブルコイン議論に注目

先週(12日〜18日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比287,243円(7.33%)安の3,494,757円と2週続落し、週足としては1月最終週(24週間)ぶりに終値で350万円を割り込んだ。
バイナンスの株式トークン取り扱い終了や米株の下落を受けて、16日金曜日のビットコインは先月21日ぶりに節目350万円を終値で割り込んだが、12日から5日続落となった反動からか、週末の相場はやや売り飽きの様相で底堅く推移し、目星い材料に欠ける中、340万円台を維持。この間、ビットコインの採掘難易度(ディフィカルティ)は-4.81%と4サイクル連続で下方調整したものの、ハッシュレートの戻りは鈍く、引き続き100 Ehash/s周辺で揉み合っている。

ビットコインは引き続きボラティリティと出来高が低下傾向となっており、次の動きに向けてエネルギーを溜め込んでいる。16日には、相場がボリンジャーバンドの-2σを割り込んだものの、週末の反発によりバンド幅は再び縮小傾向(トレンドが始まることを示唆)に転じ、「下降バンドウォーク」は回避できたものの、ハッキリとした方向感を示せずにいる。
来週27、28日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が開かれるが、明日からはブラックアウト期間(当局者が金融政策について発言を控える期間)に入るため、株や外為市場につられてビットコインにも様子見ムードが広がる可能性がある。ただ、本日はイエレン米財務長官がステーブルコインの金融システムにおける役割やその透明性について、バイデン政権の金融市場ワーキンググループや通貨監督庁、連邦預金保険公社と議論する予定となっている。
ステーブルコインを巡っては、先週行われた米上院銀行委員会での証言でパウエル連邦準備理事会(FRB)議長も、運営にあたり「適切なフレームワーク」が必要だと述べており、今夜予定されている会議でも発行や取引所での取り扱いに関して何らかのフレームワークを制定する運びになると予想される。ステーブルコインは暗号資産(仮想通貨)市場において多大な流動性の源となっていることから、金融市場のスタンダードを決めるとも言われる米国での動きには注意したい。
ステーブルコインに対して予想以上に厳しい措置が取られる可能性が出れば、ビットコインはレンジ下限の320万円を目指すシナリオも視野に入る一方、閑散相場が続く中、テクニカル的にもセンチメントは良好と言えず、上値余地は限定的かと指摘される。





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bitbank Report 2021/07/19:BTC週足は24週ぶりに350万円割れ 今夜は米ステーブルコイン議論に注目