BTC週足は下ヒゲ陰線が出現 ファン理論第2トレンドラインを試す

先週(22日〜28日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比134,420円(2.15%)安の6,121,680円と2週続落したが、週後半から相場は551万円で反発し、下ヒゲが実体よりも長い「下ヒゲ陰線」が2週連続で出現した。
先週のビットコイン相場は、週明け22日から上値の重い展開を繰り広げ、620万円から16日安値の584.2万円まで下げ足を速めた。24日には、米電気自動車(EV)メーカーのテスラが米国においてビットコイン決済を導入したことが好感され、相場は620万円まで戻すも、節目の水準で戻り売りが入り反落。この日は16日安値をも割り込み、翌25日には今月8日ぶりに551万円まで安値を広げた。
これにより、ビットコイン相場は1月27日安値(305.8万円)と2月28日安値(460万円)を基点とする中期上昇トレンドラインを割り込んだが(第2図内黒線)、26日には、前日の強気な米経済指標を追い風に買いが戻り、ショートのロスカットも巻き込み同トレンドラインを回復するほどの反発劇を繰り広げ、心理的節目の600万円を回復した。


今週は月をまたぐ週となっており、週央からは重要な経済指標の発表が複数控えている。中でも、米国のADP雇用統計(31日)と労働省雇用統計(4月2日)は、ビットコインにとっても影響値は高いと指摘される。先月は、ADP雇用統計の下振れで相場のレンジ上方ブレイクがダマシとなるも、その後の労働省雇用統計で比農業部門雇用者数が市場予想の倍の増加となり、相場が切り返すということがあったため、4月1日の新規失業保険申請件数も含め雇用関連の指標には注目だ。
チャート上では、ビットコインの対円相場はファン理論の第2トレンドライン(第3図内青線)やボリンジャーバンドのセンターラインを試す展開となっている(第4図)が、移動平均線の強気のパーフェクトオーダーは解消された。相場は上述の中期上昇トレンドラインも一旦回復しており、足元では戻り一服感もある。上述の通り、今週は週央から重要経済指標の発表を控えているが、週前半には目星い材料も見当たらず、目先では戻り売りが入り相場が押す展開も視野に入る。
目先の下値目途としては16日安値の584.2万円がある。一方、相場が節目の600万円を維持しファン理論の第2トレンドラインの上抜けに成功すれば、トレンドフォローの買いを誘い、18日〜20日に相場が揉み合った640万円周辺の水準まで値を戻すと見ている。






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bitbank Report 2021/03/29:BTC週足は下ヒゲ陰線が出現 ファン理論第2トレンドラインを試す