アルト主導でビットコイン反発 FOMC乗り越え続伸なるか?

16日のビットコイン(BTC)対円相場は115,882円(1.9%)高の6,207,508円と反発。
東京時間のこの日の相場は下に往って来い。前日終値が1時間足の200本移動平均線(MA)を割り込むと、序盤から売りが膨らみ610万円から584万円まで一段安となったが、XRP保有者に対しエアドロップされる、フレアネットワークのスパーク・トークンの価格上昇を背景にXRP需要が高まり、ビットコインも連れ高で下げ幅を奪回した。欧州時間からは、1時間足の200MA付近で戻り売りが入るも、コインベースでの上場が決まったカルダノ(ADA)や、独自検索エンジンのローンチが発表されたブレイブ・ブラウザのネイティブトークンBATなど、アルトコイン主導でビットコインも切り返し、足元、再び1時間足の200MA上抜けをトライする展開となっている(第2図)。


昨日発表の米小売売上高は、前月の+5.3%から-3.0%と大きく下げ、市場予想の-0.5%も下回ったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)が始まる中、市場の反応は薄かった。
本日はFOMC2日目。今回は金融政策の据え置きが予想されるが、注目は長期金利上昇に対するコメントと、四半期毎に発表される経済見通しとなる。
月初時点では、米長期金利急上昇とそれに伴う市場の混乱を抑制するため、政策は据え置くがよりハト派的なトーンで市場とのコミュニケーションを図ると予想していたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は今月4日に参加したイベントで、金利上昇に警戒感を示すも具体的な対策には言及しなかった。加えて、月初と比べ株式市場は落ち着きを取り戻し、金利も上昇一服の様相となっており、今回も警戒感は示すが具体策には踏み込まないだろう。
経済見通しの最大の注目点としては、FOMC参加者の政策金利の見通しを示すドット・プロットだ。12月発表のプロットでは、2023年まで参加者のほとんどが据え置きを予想しており、中央値が0.0%〜0.25%と実質ゼロ金利政策が2023年末まで続く見通しだった。しかし、2023年の予想金利はあと四人が利上げを予想すれば中央値が引き上がる。昨年12月時点からはワクチン接種も進み、今月にはバイデン政権の1.9兆ドルの経済対策案も可決されており、今回のドット・プロットでは利上げを予想する当局者が増えるか懸念される。
反対に、昨年12月からドット・プロットに変化が見られなければ、安心感に繋がりビットコインにはプラスとなろう。

FOMCの結果が警戒されるが、ビットコイン対円相場のテクニカル的な見通しは引き続き良好だ。目先で相場が反落しようとも、心理的節目の560万円周辺には、21日と34日移動平均線、一目均衡表の基準線、ボリンジャーバンドのセンターラインが密集しており、その少し下の50,000ドル水準となる545万円もサポートとして期待される。上値目途としては、対ドル2月高値水準の636.6万円や60,000ドル水準の654.6万円がある。





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bitbank Report 2021/03/16:アルトコイン主導でビットコイン反発 FOMC乗り越え続伸なるか?