テスラは何BTC保有しているか? 本日は米CPIとパウエル議長発言

9日のビットコイン(BTC)対円相場は8,007円(0.16%)安の3,872,383円と、終値ベースではほぼ変わらずだったが、東京市場での上昇で相場が初めて500万円台に乗せる場面もあった。また、昨日はBTCからの資金循環でアルトコインが概ね上昇した。
米電気自動車大手テスラのBTC購入とBTC支払い受け入れ意向を受けた前日NY市場での相場急伸を受け、この日のBTC相場は東京市場時間に一段高となり503.8万円の史上最高値をつけた。対ドルで節目48,000ドル周辺となる同水準からは利益を確定する売りに押され相場が反落するも、45,000ドル(≒471万円)から綺麗に切り返し、NY市場時間からはドル安も支えとなりジリジリと下げ幅を縮小していった。

テスラのBTC購入で米メディアからは批判的な声も上がったが、8日のテスラ株相場は上昇し市場からのファーストインプレッションとしては悪くなかった。また、これを受けてか事業会社のBTC投資の先駆けとなったマイクロストラテジーの株価は急上昇している。
先月29日にイーロン・マスク氏がツイッターのプロフィールに「#bitcoin」と書き込んだのがある意味で伏線だったと考えられるが、当時のレートが1BTC=34,000ドルと仮定すると、テスラは約44,000BTCと今年新規発行されるBTCの約7.5分の1を一気に買い上げた事になる。昨年の半減期を経て希少性が一層高まる中、大口による残り少ないパイの取り合いは続いており、テスラの参戦は米テック企業のビットコイン購入ブームに火を付けると見ている。
本日は米国のインフレ指標として重要な消費者物価指数(CPI)の発表と、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を控えている。セントルイス地区連銀のデータによれば、米ブレークイーブンインフレ(期待インフレ率)は今週、2.22%と高水準を保っており、物価動向には市場の注目が集まっている。また、パウエル議長はこれまでインフレのオーバーシュートを容認する姿勢を示してきており、本日はこの姿勢を維持する発言があるかにも注目したい。
8日の相場急伸でテクニカル的に短期的な過熱感は出ているが、ファンのパターン完成(第2図)、相場上昇に伴うボリンジャーバンドのボージ(バンド幅の拡大)出現、一目均衡表三役好転示現と強気相場のシグナルが多数。勿論、反動安シナリオには要注意だが、昨日の値動きから44,000ドル〜45,000ドルエリア(≒460万円〜471万円)はサポートとして機能すると見ている。
相場のフロアアップに加え、続くアルトの物色、さらに米追加経済対策の今月中の実現期待もあり、BTCはQ1中の50,000ドル突破が視野に入る。






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bitbank Report 2021/02/10:テスラは何BTC保有しているか? 本日は米CPIとパウエル議長発言