ビットコインは対円で8週続伸 半値戻しは全値戻しか

11月第4週(23日〜29日)のビットコイン(BTC)対円相場は7,237円(0.38%)高の1,893,989円と8週続伸。為替の影響でBTC対ドルの週足は、海外主要取引所で1.07%〜1.34%ほど下落し、18,100ドル台後半から18,200ドル台前半で終値をつけた。
先週のBTC相場は、アルトターンで資金がアルトコインに流れ、週明けから190万円手前の水準で揉み合う展開が続いたが、24日には早くもアルトドレインでBTCに資金が戻り、相場は2017年1月8日ぶりに心理的節目の200万円にタッチ。一方、その後は目標達成感から利食い売りが優勢となると、26日には海外取引所への大量のBTC送金が確認されたことや、米国での暗号資産(仮想通貨)ウォレット規制観測が出たことで更に売りが加速。すると、相場はロングのロスカットを伴い急落し、一時は前週の上げ幅をほぼ掻き消す勢いで170万円まで押した。
26日の相場は終値ベースで今年2番目に大きい下げ幅を記録したが、直近2ヶ月ほど相応に速いペースで上値を追っていただけあって、この日の急落で市場も少し冷静さを取り戻すと、170万円〜175万円エリアで相場は買い支えられ、週末には反発を開始。29日には半値戻し水準となる185万円の奪回にも成功した(第2図)。


週末の間、特段に目星い材料はなかったが、相場急落によってある程度値頃感を覚える市場参加者も一定数いたと指摘される。「半値戻しは全値戻し」とも言われるが、この先は再び200万円を目指すか。アルトコインも26日はBTCに追随したが、週末には買いが戻り、イーサリアム(ETH)やXRPは同様に半値戻し水準を既に回復している。
今週はベージュブック(12月3日)や米雇用統計(12月4日)の発表があるが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が2日に下院金融サービス委員会で行う予定の証言にも注目したい。今回の証言ではコロナウイルス対策について言及される見通しで、この先の金融政策について何かしらヒントを得られるか注目だ。来月15日〜16日には連邦公開市場委員会(FOMC)も予定されており、市場は特に量的緩和について方針転換があるかを注視している。
今週の上値目途は今月高値とボリンジャー2σ、また26日の急落の全値戻し水準が密集する200万円を予想。同水準は対ドルで最高値水準付近ということもあり、今週中の上抜けにはもう少し材料が必要かと指摘される。下値目途は、基準線と半値戻し水準の185万円と、ボリンジャーセンターラインの182万円や、対ドルで節目17,000ドル水準の177万円が挙げられる。





