上昇バンドウォークが続くBTC 残す上値目途はついにATH

17日のビットコイン(BTC)対円相場は93,793円(5.37%)高の1,840,887円と、2018年1月10日ぶりに終値で180万円台に乗せ、2日連続で年初来高値を更新。対ドルでは2018年1月高値の17,174ドルを上回り、2017年12月以来の水準で推移している。
この日はDEX(分散型取引所)のUniswapの流動性マイニング終了により、同取引所での流動性の著しい低下が確認されたが、ガバナンストークンのUNIや解放されたETHの相場も堅調に推移し、その他De-Fi関連銘柄の相場への影響も確認されなかった。
前日のNY時間に174万円を奪回したBTCは、この日の東京時間は同水準を挟み込む展開で揉み合いに終始した。米指数先物が軟調に推移する中、グレイスケールのビットコイン投信の運用資産が50万BTCに到達したとの朝方の発表が材料視されたことや、XRPなど時価総額上位の一部アルトコインに買いが入り、BTC相場も支えられた格好。欧州時間に入るとドル安が追い風となり178万円にタッチ。その後、NY時間では、米主要3指数がこの日の安値から反発を開始するとBTCの上昇にもさらに拍車が掛かり、186万円まで綺麗に上値を追う展開を繰り広げた。

今週は高値警戒感やUniswapの流動性マイニング終了を懸念して、160万円台での揉み合いを予想していたが、想定以上にアルトコインに物色買いが入っており、循環物色の様相でBTCも前週高値(163万円)の更新に成功した。相場は連日終値で高値の更新に成功しており、ダウ理論で言う強気相場のシグナルが点灯している。昨日の上昇には出来高の増加も伴っており、シグナルの確度も高いと指摘される。
いつまで足元の上昇基調が続くかが気になるところだが、ボリンジャーバンドが切り返しのタイミングを測るのに役立ちそうだ。BTCの対円は、広いバンド幅を維持しつつ1σと2σの間を推移しながら上昇する、「上昇バンドウォーク」を直近1ヶ月ほど比較的綺麗に維持している(第2図)。バンドウォークは直前のトレンド継続を示唆するため、バンドのスクイーズ(バンド幅の縮小)や相場の1σ割れが確認されるまでは、上昇基調が継続する余地があると言えよう。
先週、BTC相場に残された上値目途は、18年1月高値(17,174ドル≒180万円)と過去最高値(19,891ドル≒209万円)の二つと指摘したが、昨日の上昇で相場は前者の上抜けに成功し、目星い上値目途はついに過去最高値(All Time High: ATH)のみとなった。為替相場の影響で、対円と対ドルでチャートに歪みが生まれ、対円ではATHまでの距離(値幅)が60万円程度あるが、対ドルでは2,000ドル(≒20万円)程度となっており、いよいよ射程圏内に入ったと言えよう。昨日は終値でボリンジャー2σにタッチしていることから、目先では上値が抑えられる展開が予想されるが、値固め後は対ドルでATH水準を目指す展開をメインシナリオとして想定している。






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bitbank Report 2020/11/18:上昇バンドウォークが続くBTC 残す上値目途はついにATH